JGOG1086S:子宮頸部すりガラス細胞癌の臨床病理学的調査研究

(臨床研究に関する情報)
当院では、以下の臨床研究を実施しております。この研究は、患者さんの診療情報および研究用に保管された検体を用いて行います。このような研究は、「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針(令和4年文部科学省・厚生労働省・経済産業省告示第1号)」の規定により、研究内容の情報を公開することが必要とされております。この研究に関するお問い合わせなどがありましたら、以下の連絡先へご照会ください。

JGOG1086S
【研究課題名】 子宮頸部すりガラス細胞癌の臨床病理学的調査研究

【研究代表機関名・研究代表者名・所属】
北海道大学大学院医学院・渡利 英道・生殖・発達医学講座 産婦人科学教室

【研究目的】
本研究では稀少癌かつ診断が難しいと言われている子宮頸部すりガラス細胞癌に対して、全国より集めた病理組織標本の中央病理判定を行い、その予後解析を行う事を主たる目的としています。また、予後不良例に対する新規の治療ターゲットの同定や、診断のマーカーとなる分子の探索を副次的な目的とします。

【研究背景】
子宮頸部すりガラス細胞癌は、従来悪性度が高く予後不良な疾患で、妊娠・出産と関連があると言われてきましたが、近年相反する報告も複数認められ、今まで言われてきたことが正しいのか否かはっきりとした結論が出ていない部分があります。これは稀少癌でまとまった規模の報告が無い事によるものと考えられ、発生頻度が少ない事から、全国での調査を計画しました。

【研究方法】
患者さんの病理組織標本を集積し、2014年のWHO分類に沿った病理組織診断を行います(中央病理判定)。
さらに、稀少癌である事により大規模データが無く、疫学的な調査、治療内容と予後の分析等を行い、疾患全体の特徴を明らかにします。また、次世代シークエンサーを用いた遺伝子の解析を行い、この疾患に効果的な治療ターゲットや、診断につながるマーカーの探索等を行います。

【研究対象】
2002年1月から2021年12月までに子宮頸部すりガラス細胞癌と診断された患者さんを対象とします。

【利用する検体・情報】
検体:病理組織診断に用いたヘマトキシリンエオシン染色標本
未染標本10枚
(次世代シークエンサーを用いた解析を行う場合は、さらに未染標本を10枚)
※次世代シークエンサーを用いた遺伝子解析を行った場合にはゲノムデータを取得します。
情報:年齢(治療開始時)、身長、体重、妊娠歴(経妊回数、経産回数)、月経歴(初経年齢、閉経の有無、閉経年齢)、診断時期と直近の妊娠・分娩時期、周産期に診断した場合の分娩様式(経腟分娩、帝王切開)、妊娠初期の子宮頸部細胞診の結果、既往歴・合併症、腫瘍径、臨床進行期分類(FIGO 1994、2008、2018)、画像・病理所見、HPV(型判定ないしはハイリスクグループ)、治療内容、転帰等、腫瘍マーカー値
送付方法
上記の検体は、病理組織診断(中央病理判定)および腫瘍の遺伝子解析のために研究事務局である北海道大学大学院医学院発達医学講座産婦人科学教室に送付します。上記のカルテ情報は、NorthNetのEDC(Electronic Data Capture)システムを用い、オンラインで入力を行います。また、病理組織標本は画像データ化し、株式会社biomyと電磁的方法を用いて共有します。
本研究で得られた情報は、JGOGの本研究に協力頂いた施設で利用する可能性があります。
【研究実施期間】
実施許可日から2027年3月31日

【説明と同意について】
この研究はすでに各機関で子宮頸部すりガラス細胞癌の診断を受けて、治療を行った患者さんの病歴等のカルテ情報と病理組織標本を用いた研究です。したがって、研究対象となる患者さんに新たに検査や治療を求めるものではなく新たな身体的負担や不利益を生じる可能性はありません。また対象期間が2002年~2021年と長いため、治療を行われた患者さんに対する個別の説明は難しい場合も多いと考えられます。この研究への患者さん本人からの同意を必須とするか否かは、各機関の倫理委員会の判断に委ねています。本公開文書は、JGOGおよび研究機関等のホームページ上にて公開しています。
JGOG URL: http://www.jgog.gr.jp/index_J.html

【外部への試料・情報提供について】
研究機関およびJGOG事務局へのデータの提供は、特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。患者さん個人とデータおよび試料とを連結するための対応表は、研究責任者および事務局が保管・管理し、外部への提供は行いません。

【情報公開について】
この研究は、愛媛大学医学部附属病院の臨床研究倫理審査委員会北海道大学病院の生命・医学系研究倫理委員会の承認を得た後,研究責任者の管轄のもとに行われます。すでに記録されている臨床情報をもとに行われるため,対象となる患者さんにあらたにご負担をおかけすることはありません。また、この研究の結果は専門の学会や学術雑誌に発表されることがあります。

もし、この疫学研究にご自身の情報を使用されることに同意されない方は、担当医師へご連絡ください。解析対象から除外させていただきます。同意されない場合でも、診療上であなたが不利益を被ることは一切ありません。また研究に関して、ご不明の点がございましたら、いつでも担当医師へお問い合わせください。

【事務局連絡先】
北海道大学病院 産婦人科
事務局担当者:石塚 泰也
連絡先:JGOG1086S@pop.med.hokudai.ac.jp
所在地:北海道札幌市北区北15条西7丁目 郵便番号:060-0815
電話:011-706-5941

【研究組織】
この研究は以下の組織で行います。
【研究代表者】
北海道大学医学院生殖・発達医学講座産婦人科学教室・教授  渡利 英道

【研究事務局および責任者】
北海道大学医学院生殖・発達医学講座産婦人科学教室
事務局担当者:石塚 泰也
所在地:北海道札幌市北区北15条西7丁目 郵便番号:060-0815
電話:011-706-5941

【共同研究機関】
JGOG登録医療機関 全国183施設(2021/05/06現在)
参考URL:https://jgog.gr.jp/institution/institution_map.html

【ゲノム解析施設・責任者 】
<ゲノム解析責任者>
北海道大学病院 先端診断技術開発センター・特任准教授  畑中 豊
北海道大学病院 先端診断技術開発センター 生体試料管理室・特任講師  畑中 佳奈子
慶應義塾大学病院 腫瘍センター 教授 西原 広史
慶應義塾大学病院 腫瘍センター 助教 加藤 容崇

<解析機関1>
北海道大学病院 先端診断技術開発センター
解析担当:畑中 豊、畑中 佳奈子
所在地:北海道札幌市北区北14条西5丁目
連絡先: 011-706-5716

<解析機関2>
北海道大学遺伝子病制御研究所 分子神経免疫学分野(免疫染色)
解析担当:村上 正晃
所在地:北海道札幌市北区北15条西7丁目
連絡先: 011-706-5121

<解析機関3>
公益財団法人かずさDNA研究所(遺伝子発現解析)
所在地:千葉県木更津市かずさ鎌足二丁目6番地7
連絡先:0438-52-3944
担当者:佐賀 敦子

<解析機関4>
慶応義塾大学病院 腫瘍センター
解析担当:西原 広史、加藤 容崇
所在地:東京都新宿区信濃町 35
連絡先:03-3353-1211

<解析機関5>
社会医療法人北斗 北斗病院 腫瘍医学研究所(遺伝子変異解析)
解析担当:加藤 容崇
所在地:北海道帯広市稲田町基線7番地5
連絡先: 0155-48-8000

<解析機関6>
三菱電機ソフトウエア株式会社電子システム事業統括部通信機事業所バイオインフォマティクス部(遺伝子変異解析パイプライン)
所在地: 兵庫県尼崎市塚口本町5-4-36(富士テクノスクエア)
連絡先:06-4961-8861
担当者:野原 祥夫

<解析機関7>
タカラバイオ株式会社 CDM推進部(遺伝子発現解析・遺伝子変異解析)
責任者:猪塚 彬土
所在地:滋賀県草津市野路東七丁目4番38号
連絡先:077-567-9262

<解析機関8>
株式会社biomy(病理AI画像解析)
責任者:小西哲平
住所:東京都渋谷区渋谷3丁目6-2エクラート渋谷5F

【検体保管】
<保管責任者>
北海道大学医学院生殖・発達医学講座産婦人科学教室 松宮 寛子

<保管機関>
北海道大学医学院生殖・発達医学講座産婦人科学教室
保管担当:松宮 寛子
所在地:北海道札幌市北区北15条西7丁目
連絡先:011-706-5941c

【当院の研究責任者連絡先】
愛媛大学医学部附属病院 産婦人科 中橋 一嘉
所在地:〒791-0295 愛媛県東温市志津川454
電話:089-960-5379(産婦人科医局)