本邦における子宮頸癌に対する妊孕性温存手術(単純子宮頸部摘出術、準広汎子宮頸部摘出術、広汎子宮頸部摘出手術)の実態調査

お知らせ

【日本産科婦人科学会婦人科腫瘍委員会:本邦における子宮頸癌に対する妊孕性温存手術(単純子宮頸部摘出術、準広汎子宮頸部摘出術、広汎子宮頸部摘出手術)の実態調査】に対するご協力のお願い

愛媛大学医学部附属病院では、医学・医療の発展のために様々な研究を行っています。その中で今回示します以下の研究では、患者さんのカルテの記録を使用します。この研究の内容を詳しく知りたい方や、カルテを利用することをご了解いただけない方は、下記【お問い合わせ先】までご連絡下さい。この研究を実施することによる、患者さんへの新たな負担は一切ありません。また患者さんのプライバシー保護については最善を尽くします。

【研究課題名】日本産科婦人科学会婦人科腫瘍委員会:本邦における子宮頸癌に対する妊孕性温存手術(単純子宮頸部摘出術、準広汎子宮頸部摘出術、広汎子宮頸部摘出手術)の実態調査

【研究機関】愛媛大学医学部附属病院産婦人科

【研究責任者】藤岡 徹(産婦人科 准教授)

【研究代表者】三上幹男(東海大学医学部専門診療学系産婦人科学 教授)

1 対象となる方
西暦2009年1月1日より2013年12月31日までの間に、子宮頸癌に対する妊孕性温存手術(単純子宮頸部摘出術、準広汎子宮頸部摘出術、広汎子宮頸部摘出手術)を行う予定で手術を受けた方

2 本研究の意義、目的、方法
(意義及び目的)1983年に世界初の腟式広汎子宮頸部摘出術を報告して以来、将来妊娠・出産を希望する若年女性に早期子宮頸癌が発見された場合に広汎子宮頸部摘出術を施行している施設が増えてきている。今後、広汎子宮頸部摘出術は頸癌の若年化に伴い広く普及していくものと予想され、さらに最近では妊娠中での施行例も報告されている。しかし現在、広汎子宮頸部摘出術がどのような施設で行われ、何例程度施行されているのか、その適応はどのようなものなのか、各症例の癌の長期予後、妊娠した症例の周産期予後については、施設単位で学会報告されているものの、本邦における実態についてはまったく不明である。2017年版子宮頸癌治療ガイドライン(日本婦人科)腫瘍学会編にも「広汎子宮頸部摘出術の施行には,病理医,生殖医療・周産期管理・新生児管理を担当する医師の協力が不可欠であり,その適応運用について慎重な議論が必要である。また,安全性や有効性に関する本邦からのデータを集積し,検証していくことも重要である」と明日に向かっての提言がなされている。今回、施行施設、手術適応基準、手術術式、全摘への移行例、長期予後、妊娠に至る経過(生殖補助医療の有無)、妊娠した症例の転帰について後方視的実態調査を行い、本邦での現状を把握したうえで、今後、広汎子宮頸部摘出術をどのように質を担保したうえで普及させていくべきかを検討することを目的とする。

(方法)若年子宮頸癌患者に広汎子宮頸部摘出術を行っているかどうかの施設アンケート調査を日本産科婦人科学会専攻医指導施設に送付し実施した上で、協力の承諾が得られた施設から症例集積を行う。調査内容(施設アンケート・症例集積)は以下の通りである。

施設アンケート調査項目
子宮頸癌への広汎子宮頸部摘出術施行の有無、腫瘍登録協力の可否、先術式を初めて開始した時期、術式完遂例数、全摘への移行例数、日本婦人科腫瘍学会腫瘍専門医の有無、周産期専門医の有無、周産期センターとの連携の有無、適応(組織型、腫瘍径、腫瘍形態など)、迅速診断の有無、迅速診断の内容(切片作成方法など)、妊娠許可の基準、手術費用の請求、その他など。

症例集積での調査項目・方法

調査項目
術前情報:年齢、結婚歴、妊娠歴、術前の卵巣機能評価、病理・画像評価
術中情報:手術方法、手術時間、出血量、迅速病理結果、入院期間
術後情報:TNM分類、病理組織結果、頚管長、術後の卵巣機能評価、術後合併症、追加治療
アウトカム:再発・生存予後、生殖予後(不妊期間、治療方法)、周産期予後(妊娠率、流産率、死産率、周産期合併症、出産方法)

各施設はデータ入力ファイルに調査事項を記入し、日本産科婦人科学会ホームページ上で誤送信のないようファイル添付の送信フォームを使用し、ファイルをアップロードする。送信フォームへはパスワード入力でのログインが必要で、データの送信はSSL暗号化通信で行われ、添付ファイルの一時保管は外部攻撃に備えた高いセキュリティのサーバー上で行われる。情報は対応表を用いて匿名化し、登録番号は各施設1,2,3,・・・とつけ、事務局による患者個人の特定が出来ないようにする。

3 協力をお願いする内容
特にありません。

4 本研究の実施期間
西暦2018年8月28日〜2020年3月31日

5 プライバシーの保護について
本研究で取り扱う患者さんの情報は個人情報をすべて削除し、共同研究機関に情報提供を行うまでに対応する表は削除されて第3者にはどなたのものか一切わからない形で使用します。

<試料・情報の管理責任者>  愛媛大学医学部附属病院  産婦人科  藤岡 徹

6 お問い合わせ
本研究に関する質問や確認のご依頼は、下記へご連絡下さい。
また本研究の対象となる方またはその代理人(ご本人より本研究に関する委任を受けた方など)より、情報の利用や他の研究機関への提供の停止を求める旨のお申し出があった場合は、適切な措置を行いますご連絡をお願いいたします。

研究責任者:藤岡 徹
愛媛大学医学部産婦人科
TEL: 089-960-5379
FAX: 089-960-5381