研修医の一次・二次救急研修報告「帰宅後の生活まで考える」
アイプログラム(愛媛大学医学部附属病院を中心とした研修プログラム)では、救急研修の一環として、大学病院に隣接する愛媛医療センターで研修医が一次・二次救急の診療にも当たっております。熊木天児センター長が指導医として同行することもあり、センター長から与えられたお題に応えるように、研修医の皆さんに経験談をレポートして頂きました。どの研修医も学びに繋がるしっかりとした研修を受けております。
第1弾でご紹介するのは、帰宅後の生活まで想像して診療にあたる必要性を学べたという経験です。4日連続で投稿していきますので、ぜひご確認ください。
「帰宅後の生活まで考える」(2年目研修医 A先生)
先日、私は救急外来で熱傷患者の対応にあたりました。調理中にコンロの火が服に引火し受傷した方で、上腕内側にⅠ・Ⅱ度熱傷が混在していました。消毒後、ゲンタマイシン外用+ガーゼ保護で経過観察とし、金曜日の夜の救急受診であったため、週明けの近医皮膚科受診を提案しました。
以上の診察内容を指導医に報告したところ、水疱が破れており感染リスクが高いことから、週明けの皮膚科受診に至るまで創部を清潔に保てるよう、具体的に洗浄方法などを患者に説明する必要があるとアドバイスを頂きました。
診察室での対応のみに終わるのではなく、帰宅後の生活まで想像して診療にあたる必要性を学ぶことができました。
センター長からのコメント
夜間救急診療では、できることに限界があります。しかし、頭部外傷後の硬膜下血腫に対する注意事項など、その後生じうることのアドバイスの方が実は大切だったりすることがあります。しかも、本人だけではなく家族への説明、自宅での経過観察だけでなく数日後の受診など、その時のシチュエーションに応じて対応しなければならないことを学べたと思います。今回は金曜日の夜だったので、場合によっては土曜日に診療をしている医療機関を教えてあげる必要もありますからね。