研修医の一次・二次救急研修報告「病歴聴取と身体診察の重要性を実感しためまい診療」
アイプログラム(愛媛大学医学部附属病院を中心とした研修プログラム)では、救急研修の一環として、大学病院に隣接する愛媛医療センターで研修医が一次・二次救急の診療にも当たっております。熊木天児センター長が指導医として同行することもあり、センター長から与えられたお題に応えるように、研修医の皆さんに経験談をレポートして頂きました。どの研修医も学びに繋がるしっかりとした研修を受けております。
第2弾でご紹介するのは、病歴聴取と身体診察の重要性を実感したという研修医の経験です。ぜひご確認ください。
C先生(1年目研修医):病歴聴取と身体診察の重要性を実感しためまい診療
私はめまいが主訴の20代女性を担当しました。初めての救急診療支援研修のため、2年目の先生と一緒に診させていただきました。「頭を動かすと数十秒のめまいが生じて、頭を動かさなければ、めまいは軽減する」といった症状でした。難聴はなく、麻痺などの脳梗塞を示唆する所見もありませんでした。BPPVの可能性が高いと考え、メリスロンとプリンペランの点滴をして、症状は改善しました。以前にも同じ症状があり、メニエール病と診断されていたそうです。
BPPVなら頭位治療などで改善が期待できるため、救急の現場では詳細な病歴聴取と身体診察をして、脳梗塞などを除外し、いずれは耳鼻科への受診を勧める必要があると感じました。また、処方によって症状が改善し、診断が難しくなるので初診時の記録を残すことも重要だと感じました。
センター長からのコメント
常に2年目研修医の後をシャドウイングしていたのが印象的でした。いずれ後輩たちにもしてあげられる良き指導者になるだろうなと感じました。「いずれは耳鼻科への受診を勧める必要があると感じました」とのコメント、大好きです!
限られた時間で診療を進めなければならないのが、救急診療です。以前にもエピソードがあったということは、もしかすると予防策が不十分であったかもしれないですね。そのためにも、予防的なエプリー体操を取り入れるなど介入できることはありそうですね。何はともあれ、救急診療支援研修デビューお疲れ様でした。