発達障害の診断について

今回は発達障害の診断についてです。

最近、発達障害の診断について、内科や総合診療科の医師から聞かれることが多いです。

専門医療機関に紹介するだけではなく、自分で診断するにはどうすればいいか、などの相談があります。

発達障害にも自閉スペクトラム症やADHDなど、いろいろありますが、細かい分類については我々の作成したハンドブックに記載しています。ぜひ、参考にされてください。

 

では、診断についてですが、どのようにするのかです。

現在、診断基準に沿って診断をするのですが、診断に使われるICD-10DSM-5の診断基準は、文章で書かれていますがチェックリストなどとは違い、使いこなすには熟練が必要です。

 

こちらはDSM-5の診断基準です。

 

A:対人的なコミュニケーションと相互作用(以下のすべて該当

  • 対人的相互性の障害
  • 対人的非言語的コミュニケーション行動の障害
  • 状況にあった関係づくりの障害

B:限局され反復する行動や興味想像力の障害(2項目以上該当)

  • 常同的、反復的行為
  • 同一性へのこだわり、習慣的、儀式的行動への固執
  • いちじるしく限局化し固定した興味、熱中の仕方・対象が異常
  • 感覚刺激への反応亢進または無反応

C:症状は発達早期に出現するが,後になって明らかになるものもある

D:症状は社会や職業その他の重要な機能に障害を引き起こしている

 

いかがでしょうか?

これの難しいところが、対人交流が苦手とか、限局した興味とかは、定型発達の子どもでも見られることがあるということです。

この障害の程度というのが非常に難しいと思います。少なくとも一朝一夕でこのような聞き取りがマスターできるものではないです。

発達障害の診断を含め、子どもの心の問題について専門家になりたい、という場合は子どものこころ専門医というサブスペシャリティ専門医があります。

https://kks-kokoro.jp/senmoni/index.html

こちらは専門医療機関で3年間の研修が必要だとされています。これから発達障害を診ていこうという方は、ご検討されていいと思います。

 

すでに発達障害を診ていて、もう一歩知識が欲しいと思う方は、国が行っている技術研修があります。

2022年度はオンライン開催ですので、愛媛からも参加しやすいと思います。こちらの研修については自治体が承認する必要がありますので、ホームページからご参照ください。

https://www.ncnp.go.jp/info/2022/seiken-kensyu_R4.html

 

今回は発達障害の診断について、記載しました。

次回も発達障害の診断について、お話させていただこうと思います。