インターネットサーバー “hypnos” の足跡
当教室では、いわゆる「インターネット黎明期」と呼ばれる時期より教室のホームページを立ち上げ、愛媛大学医学部内にある教室管理のサーバーにより公開していた。このサーバーマシンの名前は”hypnos”といい、ギリシア神話の眠りの神ヒュプノス(Hypnos)が命名の由来である。麻酔と関係が深い眠りからとっている。以下、当教室のホームページおよびインターネットサーバー”hypnos”のコンテンツおよび機能の変遷を記載する。
(この写真は故新田忠望氏の作品を使用しており、以前よりホームページ上で使用させていただきました。)
初代hypnos:1994年9月〜1998年3月
当時、Webと言う言葉は一般的ではなかった時代にWebサーバとして稼働し、「愛媛大学医学部麻酔学教室のホームページ」を公開した。(新田賢治先生)
ホームページのコンテンツは
- 教室紹介 (部門、スタッフ、研究内容etc…)
- ペインクリニックメモ
- たっちゃんを探せ(麻酔科関連文献検索システム:“paperchart”の作者、故越川正嗣氏作の検索ルーチンを使用)
- 新しい挿管手技に関するビデオ(1995) (mpegファイルを公開)
であった。また、メールサーバとしても稼働した。当時としては珍しいメールサービスを提供している教室であった。
1998年4月〜
初代のデータ(教室のWeb)はそのまま移行し、この年に行われた第18回日本臨床麻酔学会のWebを開設した(1998年4月24日金曜日 4:17)。
- 第18回日本臨床麻酔学会ホームページ
- 第5回日米麻酔会議
メールサーバ
- 医局スタッフのメールアカウントを運用
- 学会事務局の連絡用メールアカウントを運用
- 演題の申し込みアドレスも作成(当時ネット経由の演題募集はまだ少なかった)
- この学会でメールでの演題申し込みは全演題633演題のうちおよそ半数であった。
1999年〜2003年
Webサーバ
この間、学会実施のためのWebを作成
- 第4回日本神経麻酔集中治療研究会(2000年)
- 第18回日本麻酔・集中治療テクノロジー学会(2000年)
- 日本麻酔科学会第39回中国四国地方会(2002年)
メールサーバ
上記の学会でも連絡用メールアカウントを運用
2004年秋〜2005年
Webサーバ
- 2005年の日本麻酔科学会第52回学術集会用Webを作成
Webの内容は業者が作成 - 査読者、座長の公募システムを作成
Webのフォームを用いた機能であり、このシステムで全国から演題の査読委員、学術集会における座長を公募した。対象は変更されているが,専門分野の登録等、現在のJSA学術集会の運用の基本形がここからスタートした。 - オンライン査読システムを作成
査読用抄録と返送用エクセルファイルを送付し、フォームを使って返送用エクセルファイルを受付するシステムである。SSL接続により内容の秘匿性を確保したが、この当時接続できない会員もいた。 - フォームを用いた医局内情報伝達システム
当直に関する希望などを受け付けるフォームを稼働し、当直表をsecureなWeb上で公開した。(この時の当直表Webは手書きのhtmlであった)これにより、当直表の紙印刷を中止した。
2005年
Webサーバ
- 当直表アップロードシステム稼働
当直表をhtmlで直接作成する事態を打破するべく、エクセルファイルのセルのコピーペーストにより、担当者の作成した当直表をWebに反映するシステムを作成した。
2005年10月〜
Webサーバ
- 学会プレゼンテーションデータ事前登録システム稼働
2006年2月の集中治療医学会中四国地方会で使用した。メールサーバとの連携で問題が生じてトラブルが発生した。2007年の広島での同会(主管:広島市民病院)でも使用した。
2007年12月
Webサーバ
- 医局スタッフの勤務のリクエスト受付情報を勤務管理担当者へメール転送する機能が稼働
- 携帯電話から業務予定表を閲覧可能なシステムが稼働
2008年
Webサーバ
- 日本麻酔科学会学術集会のための座長推薦システム稼働
- 上記システム稼働のため、Geotrust®によるサーバ認証を取得
- 日本麻酔科学会中四国支部学術集会Web
メールサーバ
- この頃には多くのスタッフが外部でメールアカウントを取得しており、hypnosのメールアカウントを実際に使用する人がごく一部になった。最後までhypnosのメールアカウントをメインで使用したのは萬家現教授であった。
2009年6月
Webサーバ
- ペインクリニック学会中国・四国合同地方会Web
2011年5月
Webサーバ
- 大学病院以外の病院からの麻酔依頼をWeb経由で入力開始
医局長交代に伴ってシステムを変更
初期はFAXで送付された麻酔依頼を医局秘書が代行してWeb入力を行っていた。
依頼内容は麻酔担当者へシステムからメールを転送し配信した。
2011年6月
Webサーバ
- 麻酔依頼をWebによる直接依頼に移行
2013年6月
Web・DBサーバ連携
- 麻酔依頼をデータベースへ自動登録するシステム稼働し、データベース (Forane) 上で担当者決定と依頼メール送信を一斉に行う機能が稼動した。
2014年10月
Webサーバ
- 麻酔・周術期学教室のWebページを愛媛大学の仮想サーバへ移転した。それに伴い、hypnosサーバ機能を縮小し、ハードウェアを変更した。
メールサーバ
- 一部を除き、全アカウント停止
2015年1月
hypnos退役
Web、メールサーバ、閉鎖
(文責:惣谷昌夫)