集中治療室における蛋白質投与量に関する多施設観察研究
患者さんおよび代理人の方へ
「集中治療室における蛋白質投与量に関する多施設観察研究」について
愛媛大学医学部附属病院集中治療部では、現在、平成27年7月1日~平成27年9月30日の間に集中治療室に72時間以上入室し,24時間以上の人工呼吸管理をする20歳以上の患者さんを対象に、タンパク質の投与量について調査研究を実施しております。内容については下記のとおりとなっております。
尚、この調査研究についてご質問等ございましたら、最後に記載しております[問い合わせ窓口]までご連絡ください。
研究概要および利用目的
愛媛大学医学部附属病院集中治療部では、入室患者さんの栄養療法も大切な治療の一つとして日々、最善と考えられる治療を行っています。栄養療法には、ガイドラインが存在して、いくつかの項目については多くの研究が行われ、確立した方法があります。しかし、蛋白質をどれだけ投与したら最も患者さんの合併症を減らすことができるかについては、全く分かっていません。また、これら栄養に関する研究の多くは欧米の患者さんから得られたデータが用いられています。しかし、集中治療室における患者さんの治療効果などには人種差があることが知られており、本邦における調査の必要性が指摘されています。
そこで、今回、私たちは日本集中治療医学会を通して、高知大学並びに他の集中治療室と協力し、現在の本邦における患者さんへのタンパク質の投与量を調査することにしました。調査は各施設ごとに患者さんのカルテから以下に記載したデータをいただき、全国の施設から情報を集めることで行います。最終的に患者さんの退院時の状態とタンパク質の投与量を比較することで、患者さんに最適なタンパク質の投与量を明らかにするためにデータを利用させていただきます。
研究期間
この研究は、平成27年7月1日から平成27年9月30日まで行う予定です。
取り扱うデータ
患者さんのカルテから以下のデータを収集させていただきます。本研究の目的のためのみに検査などを行うことは一切ありません。
年齢、性別、体重、身長、ICU入室日, 退室日,転帰、病院退院日,ICU入室理由,入室前運動強度,入室時重症度スコア(APACHE II,SOFA)、目標熱量,目標蛋白質量,入室時アルブミン値,人工呼吸器使用期間,血液透析使用期間、ICU退室時栄養療法の種類、リハビリ開始日,退室時運動強度
入室3,7日目,退室時の以下の項目
- 経腸栄養投与の有無,種類,投与速度
- 静脈栄養投与の有無,種類,投与速度
- 血液浄化の有無と種類,プロポフォール投与の有無,経口摂取の有無
個人情報保護の方法
個人情報、検査結果などの記録、保管は第三者が直接患者さんを識別できないよう登録時に定めた登録番号を用いて行います。また得られた記録は、インターネットに接続していない外部記憶装置に記録し、高知大学医学部麻酔科学・集中治療医学講座の鍵のかかる保管庫に保管します。
研究参加による利益・不利益
利益・・・・本研究にデータを提供いただいた患者さん個人には特に利益と考えられるようなことはございませんが、この研究の成果によっては、今後の医療や患者さんにとって、適切な栄養療法の実施が期待できます。
不利益・・・カルテからのデータ収集のみであるため、特にありません。
研究終了後のデータの取り扱いについて
研究終了後には、データは、患者さん個人を特定できない状態にして廃棄します。
研究成果の公表について
研究成果が学術目的のために論文や学会で公表されることがありますが、その場合も、患者さんの個人情報の秘密は厳重に守られますので、第三者に患者さんの個人情報が明らかになることはありません。
研究へのデータ使用の取り止めについて
いつでも可能です。患者さんあるいはそのご家族からの代理人(患者さんが、ご自身の意思を伝えられない健康状態にある場合など)がデータを本研究に用いられたくないと考えられた際には、下記[問い合わせ窓口]までご連絡ください。取り止めの希望を受けた場合、それ以降、患者さんのデータを本研究に用いることはありません。しかしながら、同意を取り消した時、すでに研究成果が論文などで公表されていた場合のように、結果を廃棄できない場合もあります。
問い合わせ窓口
この研究についてのご質問だけでなく、ご自身(患者さん)のデータが本研究に用いられているかどうかをお知りになりたい場合や、あるいはご自身(患者さん)のデータの使用を望まれない場合など、この研究プロジェクトに関することは、どうぞ下記の窓口までお問い合わせ下さい。
愛媛大学医学部附属病院 麻酔科 専攻医 小西周、 集中治療部 部長 土手健太郎
連絡先:089-960-5383