愛媛大学医学部 脳神経外科学

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臨床研究「膠芽腫におけるBevacizumabの有用性と投与タイミングに関する観察研究」について

更新日:2020/06/27

お知らせ

愛媛大学医学部附属病院では、医学・医療の発展のために様々な研究を行っています。その中で今回示します以下の研究では、患者さんのカルテの記録や画像情報に加え、手術で摘出した腫瘍組織を使用します。この研究の内容を詳しく知りたい方や、カルテや保管されている画像情報および摘出腫瘍組織を利用することをご了解いただけない方は、下記【お問い合わせ先】までご連絡下さい。

【研究課題名】
膠芽腫におけるBevacizumabの有用性と投与タイミングに関する観察研究

【研究機関】愛媛大学医学部附属病院 脳神経外科

【研究責任者】井上明宏(愛媛大学医学部附属病院 脳神経外科 講師)

【研究の目的】
 膠芽腫の治療において DNAメチル化剤であるテモゾロミド(TMZ)の導入は大きな転機でしたが、TMZ 耐性症例も多く化学療法剤単独による膠芽腫治療への限界が示唆されています。一方で、腫瘍生物学的特性を利用した分子標的治療薬であるBevacizumabの有効性も期待されていましたが、病態の一時的な改善効果は得られるものの有意な生存延長効果は確認されていないのが現状です。しかし、多くの膠芽腫の患者さんにおいてBevacizumabの導入により状態が劇的に改善することは事実であり、膠芽腫の中にはBevacizumabに著しく耐性を持つ種類が存在しているのではないかと考えています。これまでの研究において、我々は膠芽腫の浸潤先端に存在している腫瘍幹細胞(cancer stem cell:CSC)の中で幹細胞マーカーであるCD44を高発現するCSCは浸潤性が著しく高く、治療抵抗性であることを証明しました(M Nishikawa, A Inoue et al. Stem cell international)。このことから、CD44高発現のCSC由来の膠芽腫こそがBevacizumab不応性の膠芽腫ではないかとの考えに至り、当院で経験した摘出腫瘍組織を解析することでこの仮説を証明したいと考えています。すなわち、本研究は膠芽腫の患者さんにおけるBevacizumab抵抗性の原因を解明し、適切なBevacizumabの使用時期を評価することで、膠芽腫の新たな治療戦略を開発することを目的とします。

【研究の方法】
(対象となる患者さん)2014年4月から2020年12月に愛媛大学医学部附属病院を受診された方のうち膠芽腫と診断された患者さん
(利用するカルテ情報)性別、年齢、発症時期、合併症、既往歴、身体所見、血液検査データ、画像検査データ、治療状況、腫瘍データ(遺伝情報を含む)等
(利用する手術摘出組織情報)通常の手術で取得した腫瘍組織を用いて幹細胞マーカーであるCD44を含む各種分子マーカーを測定します。

【個人情報の取り扱い】
 収集した試料・情報は名前、住所など患者さんを直接特定できる情報を除いて匿名化いたします。個人を特定できるような情報が外に漏れることはありません。また、研究結果は学術雑誌や学会等で発表される予定ですが、発表内容に個人を特定できる情報は一切含まれません。

<試料・情報の管理責任者>
  愛媛大学医学部附属病院  脳神経外科  氏名 井上明宏

さらに詳しい本研究の内容をお知りになりたい場合は、【お問い合わせ先】 までご連絡ください。他の患者さんの個人情報の保護、および、知的財産の保護等に支障がない範囲でお答えいたします。

【お問い合わせ先】
愛媛大学大学院 医学系研究科 脳神経外科学 講師 井上明宏
791-0295 愛媛県東温市志津川
Tel: 089-960-5338

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