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学生・研修医の方

脳神経外科学の魅力

現在の脳外科診療は、対象である脳腫瘍・脳血管障害といった疾患の治療・制御・予防を目指しています。しかし、その究極の目標は、脳の機能を維持・温存・改善させることといっても良いのではないでしょうか。人が人らしく生きることができるのは、脳が多彩な機能を発揮するためだと思います。

脳神経外科は、疾患の治療を通じて、機能温存・改善を図って、患者さん・ご家族の人生・生活に大きな関わりをもつ分野です。診療面でも、外科手術に代表される直達手術だけではありません。現在までの主流たる顕微鏡手術は確立しており、その教育法も体系立っています。加えて、カテーテルを用いる血管内治療や神経内視鏡の分野では、新たな機器の導入や発展で大きく進歩する可能性を秘めています。

一方で、1990年に米国議会で「脳の10年」(Decade of the Brain)が決議され、脳研究が継続的に推進されて20年が過ぎた現在でも、依然として判っていないことが多く存在します。今世紀は「脳の世紀」とも言われ、今後飛躍的に進歩し、機能や構造が判明するのではないかと期待されています。そのため、治療対象である脳腫瘍・脳血管障害といった疾患の解明と治療を研究するだけでなく、脳機能の解明と温存を目指すことで、脳科学の進歩に貢献できる領域だと思います。つまり、脳神経外科医は、神経という複雑な領域を診ることができる専門家でもあり、さらには脳という神聖で神秘的な領域を切り開くことができる科学者でもあります。未だなすべき課題が多く残るため、より多くの若い先生方の頭脳とちからを求めています。

専門医への道

脳神経外科は脳・脊髄・神経に特化した科ですが、救急症例や術後症例の経験から、全身を含めた管理もできるようになる必要があります。また、神経分野に関しては、単なる手術にとどまらず、脳出血・梗塞の予防的治 療も含めた内科治療、画像診断、脳血管撮影や血管内治療、神経内視鏡、腫瘍症例に対する後療法(定位放射線治療・化学療法)、リハビリテーションと多分野にわたって関わることから、一般内科や外科と同様に基本診療科の一つに数えられます。

専門医制度の変革が計画されており、将来像に関しては未定な部分もありますが、確定次第、対応してまいります。来年2017年度(平成29年度)については、研修プログラムの認定と研修プログラム制度運営を学会が独自に行うことが決定しております。したがって、脳神経外科学会で認定されている、これまでのプログラムにて研修は進められます。

初期研修(卒後1−2年目)

臨床研修の必修化に伴って、愛媛大学医学部附属病院のアイ(愛)プログラムにしたがって、初期研修が2年間行われます。これは、大学病院だけではなく、協力型の初期研修病院と連携を取る形式も選択可能であり、2年目については、専門選択の自由度も高くなっています。

後期研修(卒後3−6年目)

穿頭、および基本的な開頭手術は術者として施行可能で、専門医取得に十分な知識と経験を積むことを目標とします。さらに、能力に応じて、顕微鏡手術の経験も積めるように配慮していきます。プログラムでは、専門医取得前に通算4年以上の研修が必要で、少なくとも3年以上脳神経外科臨床に専従していることが必須になります。プログラム内の基幹施設・連携施設・関連施設が相互に症例や専門性を補完しながら、必要な研修を実現するシステムです。

a)基幹施設とは、特定機能病院や、1名のプログラム責任者と3名以上の指導医が在籍し、他科との定期的なカンファレンスがあり、年間200例以上の手術症例がある活動的な病院で、プログラム全体の中核的な施設です。当教室では、愛媛大学医学部附属病院が担当しています。

b)連携施設とは、指導医が2名以上在籍しており、症例検討会が行われるような実践的な病院で、一つの基幹施設とのみ連携可能で、複数年の研修が可能な施設です。当教室では、県下各地域をカバーする8施設が担当しています。

c)関連施設に施設要件はなく、1年を超えない短期間の研修が可能な施設です。当教室では、県下各地域にある6病院が担当しています。

教室全体では、指導医36名が8連携病院・6関連病院の病院間ネットワークを形成して、専攻医の研修にあたっています。学会が求める各専門領域に関しても、必要な領域の全てを網羅できる研修プログラムを形成しています。また、同門の先生方が常勤・非常勤で勤務している病院も、県内各地に多数あります。

その後、卒後7年目以降に、脳神経外科専門医の取得が可能です。さらに、専門医取得後には、将来の専攻分野に応じて脳卒中、血管内治療、脊椎外科、神経内視鏡、てんかん、定位・機能外科といった専門領域の資格を取得することも可能となります。

また、卒後6年目以降には、大学院に進学する選択肢もあります。それまでの臨床研修経験に基づいて、基礎・臨床の研究に集中することが出来る期間になります。臨床医としてのキャリアにしか興味がない医師でも、一度は研究活動に触れる時期を経験することは重要です。論理的な思考と事実を究明する方法が研究を通じて学べることが、その後の臨床活動でも活かされると思うからです。さらに研究を継続するために、国内外に留学をする機会もあります。

先輩教室員の例から、以下の様な留学先がありました。

【海外】

  • デューク大学(アメリカ)
  • オクラホマ大学(アメリカ)
  • ウェストヴァージニア大学(アメリカ)
  • アイオワ大学(アメリカ)
  • モントリオール神経研究所(カナダ)
  • オーフス大学(デンマーク)
  • ケンブリッジ大学(イギリス)
  • マックスプランク研究所(ドイツ)

【国内】

  • 北海道大学
  • 札幌麻生脳神経外科病院
  • 獨協大学
  • 聖マリアンナ医科大学東横病院
  • 藤枝平成記念病院
  • 岡山大学

関連施設について

大学病院で研鑽を積んだ医局員は、大学病院だけでなく、愛媛県内を中心に、各地の基幹病院で診療・研究に従事しています。

 愛媛県内の主な関連病院(常勤医派遣人数)平成28年7月現在
 愛媛県立中央病院(9)  貞本病院(5)
 済生会松山病院(5)  市立宇和島病院(4)
 愛媛県立新居浜病院(3)  愛媛県立今治病院(3)
 済生会今治病院(3)  梶浦病院(3)
 伊予病院(3)  村上記念病院(2)
 美須賀病院(2)  鷹の子病院(2)
 平成脳神経外科病院(2)  松山城東病院(2)
 大洲中央病院(2)  HITO病院(1)
 新居浜労災病院(1)  済生会西条病院(1)
 奥島病院(1)  砥部病院(1)
 市立八幡浜総合病院(1)  

その他、非常勤で医局員を派遣している施設は多数あります。

連絡先

〒791-0295 東温市志津川 愛媛大学大学院医学系研究科 脳神経外科学
担当者:田川 雅彦(医局長)
TEL:089-960-5338 (ダイヤルイン) FAX:089-960-5340
E-mail:neuro-mt@sunny.ocn.ne.jp