愛媛大学医学部 脳神経外科学

教室紹介

ようこそ愛媛大学医学部脳神経外科のホームページへ

教授挨拶

平成28年5月1日付けで、愛媛大学大学院医学系研究科脳神経外科学講座に着任いたしました。診療面においては、これまでと同様に診療を継続してまいりますが、この機会にホームページを一新いたしました。

私自身は、脳腫瘍外科治療と機能外科治療を専門にしております。これらはともに、疾患制御のための切除と周囲の脳機能温存という相反する二つの命題を同時に満たすことが求められる領域です。

近年、静脈投与による麻酔を併用して術中に覚醒状態にして、神経機能評価を行いながら、摘出術をすすめるという覚醒下開頭手術を安全に行うことが広まってきました。目覚めた状態で手術を行うことは、患者さんの神経症状が悪化しないか確認することが可能となり、病変の近くに大事な機能がある場合に、大変有用な方法です。局所の脳機能を直接評価するには、脳表面にある大脳皮質に高頻度の電気刺激を与えることで、その場所の機能を一時的に短時間だけ惹起・喪失させる方法を用います。
すなわち、対応する筋肉の収縮や発語の停止などの症状が出現することで、刺激した部分の機能が判ります。
2014年には、このような覚醒下でのマッピングが、脳腫瘍の摘出術において保険診療で認められるようになりました。
この方法は、元々、難治性てんかんに対する外科治療で発展してきた電気生理学的な検査法になります。私は、電気生理学的手法を補助的に組み合わせた手術を行い、言語や認知機能などのヒト特有の高次機能に関連した領域について、温存を可能にする検査手法開発に取り組んできました。

当教室はこれまで、患者さんのことを第一に考えて、最新のニューロ・ナビゲーションシステムや脳・神経機能モニタリングを併用して治療を行っています。さらに、より低侵襲かつ効果的な手術のために高精度の神経内視鏡を導入して、診療に役立てています。

今後も、前述のような新たな試みを継続していき、『Patient First!』を合言葉に、「今」と「未来」の患者さんのために何ができるかを真剣に考えて、より安全に脳神経外科治療の目的を達成するべく、邁進してまいります。

國枝 武治

歴史と概念

愛媛大学の脳神経外科学講座は、重信キャンパスに愛媛大学医学部が移転して医学部附属病院が開院した後の昭和52(1977)年4月に、松岡健三先生が初代教授として着任・開設された講座です。開設当初は5階東病棟から始まり、昭和53年には8階東病棟となりました。

平成3(1991)年4月に榊三郎先生が第二代教授に就任され、さらに平成12(2000)年12月に大西丘倫先生が、第三代教授として着任されました。平成13年の新病棟の建設に伴なって、2号館4階病棟に移転しました。現在、34床の一般病床と、3床の脳卒中治療センター(Stroke Care Unit; SCU)を有しています。

また、脊椎センターにおいて、整形外科と共同で脊椎・脊髄疾患の診療も積極的に行っています。さらに、大学病院だけでなく、多くの同門・教室の先生方が、愛媛県内を中心に、県内外の多くの病院で診療に従事しています。
現在、大学だけで年間400件強の手術実績があり、関連病院も含めると、36名の研修指導医が、全ての専門領域を網羅して、積極的に診療にあたっています。

前述のとおり、当教室はまもなく開講40周年をむかえます。しかし、そこにとどまるつもりはありません。これまでの教室の流れを引き継いで伝えるだけの「伝承」ではなく、我々の強みを活かして、脳の機能に焦点を当てて少しでも発展できる「伝統」にしてまいりたいと思っております。

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