愛媛大学医学部 脳神経外科学

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臨床研究「中枢神経原性悪性リンパ腫における髄液β2-マイクログロブリンの測定意義に関する後ろ向きコホート研究」について

更新日:2022/12/27

お知らせ

 

愛媛大学医学部附属病院では、医学・医療の発展のために様々な研究を行っています。その中で今回示します以下の研究では、患者さんのカルテの記録や画像情報に加え、手術で摘出した腫瘍組織を使用します。この研究の内容を詳しく知りたい方や、カルテや保管されている画像情報および摘出腫瘍組織を利用することをご了解いただけない方は、下記【お問い合わせ先】までご連絡下さい。

 

【研究課題名】

中枢神経原性悪性リンパ腫における髄液β2-マイクログロブリンの測定意義に関する後ろ向きコホート研究

 

【研究機関】愛媛大学医学部附属病院

 

【研究機関の長】杉山隆(病院長)

 

【研究責任者】井上明宏(愛媛大学医学部附属病院 脳神経外科 講師)

 

【研究の目的】

中枢神経系原発悪性リンパ腫(以下、脳悪性リンパ腫)の標準治療は、大量メソトレキセート療法などの化学療法に引き続き全脳照射を行うことですが、最近では分子標的治療薬であるチラブルチニブや、大量化学療法併用の自家末梢血幹細胞移植の有用性も報告され、その治療方法は多岐に渡っています。一方で、この病気における手術の目的は、生検手術により組織診断を確定することであり、疑いのある患者さんには、画像評価、血液/髄液検査に加えて生検手術を早急に行う必要性があるのですが、典型的な画像所見を呈さない場合もしばしば存在し、時に他の病気との鑑別に苦慮することもあります。このような場合には、手術計画の決定のための術前検討が極めて重要となり、迅速病理診断で確定すればその時点で手術は終了となりますが、その他の悪性腫瘍と診断された場合には可能な限りの摘出を目指した追加切除が必要になるため、術前の正確な診断は治療方針決定において極めて重要なウエイトを占めています。さらに、この腫瘍は増大速度が極めて高い腫瘍であり、急激に意識障害が進行し、数日で死に至る危険性も高く、診断から治療までの期間を出来るだけ短くする努力が必要になるため、出来るだけ簡便に施行でき、迅速に判定結果が確認できることに加え正確性の高い検査手法の開発が望まれます。現在のところ、脳悪性リンパ腫の診断方法としては様々なものが挙げられていますが、これまでの我々の経験からは髄液中のβ2-マイクログロブリンが最も信頼性が高い印象を受けています。そこで、当院において治療を施行した脳悪性リンパ腫患者さんの髄液中のβ2-マイクログロブリンを評価し、測定結果を病理診断結果や画像所見と共に解析することで本仮説を検討したいと考えています。すなわち、本研究は脳悪性リンパ腫患者さんの髄液を用いた効果的な診断方法の確立を行うだけでなく、脳悪性リンパ腫に対する新たな治療戦略を開発することを目的とします。

 

【研究の方法】

(対象となる患者さん)2005年4月から2024年12月に愛媛大学医学部附属病院を受診された方のうち脳悪性リンパ腫と診断された患者さん

(利用するカルテ情報)性別、年齢、発症時期、合併症、既往歴、身体所見、髄液検査データ、血液検査データ、画像検査データ、病理組織検査データ、フローサイトメトリー検査データ、治療状況、腫瘍データ(遺伝情報を含む)等

(利用する手術摘出組織情報)通常の診療手術で取得した術中腫瘍組織を用いて解析致します。

 

【個人情報の取り扱い】

 収集した試料・情報は名前、住所など患者さんを直接特定できる情報を除いて匿名化いたします。個人を特定できるような情報が外に漏れることはありません。また、研究結果は学術雑誌や学会等で発表される予定ですが、発表内容に個人を特定できる情報は一切含まれません。

 

<試料・情報の管理責任者>

  愛媛大学医学部附属病院  脳神経外科  講師  氏名 井上 明宏

 

さらに詳しい本研究の内容をお知りになりたい場合は、【お問い合わせ先】 までご連絡ください。他の患者さんの個人情報の保護、および、知的財産の保護等に支障がない範囲でお答えいたします。

 

【お問い合わせ先】

愛媛大学大学院 医学系研究科 脳神経外科学 講師 井上明宏

791-0295 愛媛県東温市志津川454

Tel: 089-960-5338

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