愛媛大学医学部 脳神経外科学

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臨床研究「神経膠腫における効果予測因子と予後因子に関する探索的研究(研究番号 JCOG2216A)」について

更新日:2023/07/05

JCOG脳腫瘍グループが実施した/実施中のJCOG試験横断的な附随研究

 

神経膠腫における効果予測因子と予後因子に関する探索的研究

(研究番号 JCOG2216A)

 

1.研究の対象

JCOG脳腫瘍グループが実施した/実施中の以下の臨床試験に参加して治療を受けられた方

試験

番号

試験名

対象※

進捗

結果の概要

JCOG

0911

初発膠芽腫に対するインターフェロン-β+テモゾロミド併用化学放射線療法のランダム化第II相試験

膠芽腫

終了

2014年5月に詳しい解析を行った結果、標準治療である「テモゾロミド単独療法」に比べて、「インターフェロンβとテモゾロミドの併用療法」による副作用が強く、十分な治療効果も期待されないことが判明したため、有望な治療ではないと判断しました。

JCOG0911にご参加いただきありがとうございました。

JCOG

1016

初発退形成性神経膠腫に対する術後塩酸ニムスチン(ACNU)化学放射線療法先行再発時テモゾロミド化学療法をテモゾロミド化学放射線療法と比較するランダム化第III相試験

退形成性

神経膠腫

患者登録終了、

追跡中

2026年5月以降に詳しい解析が行われる予定です。

JCOG

1303

手術後残存腫瘍のあるWHO Grade II星細胞腫に対する放射線単独治療とテモゾロミド併用放射線療法を比較するランダム化第III相試験

びまん性

星細胞腫

患者登録終了、

追跡中

2033年7月以降に詳しい解析が行われる予定です。

JCOG

1308C

再発膠芽腫に対する用量強化テモゾロミド+ベバシズマブ逐次併用療法をベバシズマブ療法と比較する多施設共同ランダム化第III相試験

膠芽腫

患者登録終了、

追跡中

2024年4月以降に詳しい解析が行われる予定です。

JCOG

1703

初発膠芽腫に対する可及的摘出術+カルムスチン脳内留置用剤留置+テモゾロミド併用化学放射線療法と可及的摘出術+テモゾロミド併用化学放射線療法のランダム化第III相試験

膠芽腫

患者登録終了、

追跡中

2027年6月以降に詳しい解析が行われる予定です。

JCOG

1910

高齢者初発膠芽腫に対するテモゾロミド併用寡分割放射線治療に関するランダム化比較第III相試験

膠芽腫

患者登録中

2026年8月以降に詳しい解析が行われる予定です。

※膠芽腫、退形成性神経膠腫、びまん性星細胞腫等をまとめて「神経膠腫(しんけいこうしゅ)」と言います。

 

2.研究目的・方法

研究の概要:

近年、組織や血液などを用いて、がんの診断や治療に関わる因子(バイオマーカー)を探索する研究が精力的に行われるようになってきました。こうした研究で得られるデータを活用して、治療薬の効果に関わる遺伝子の変異の有無や変異の種類などのバイオマーカーを同定し活用することで、将来の治療開発や治療薬選択など、患者さんの体質に合わせた個別化医療の実現に繋がることが期待されています。

本研究は、「1.研究の対象」に示すJCOG脳腫瘍グループが実施した/実施中のJCOG試験に附随する試料解析研究です。神経膠腫の組織形態や、腫瘍や血液のDNAの種類や量、腫瘍分類と、治療成績との関連を調べたり、MRI画像を用いて神経膠腫の特徴を調べたりして、治療の効果や予後を予測するバイオマーカーを探索することを目的としています。

 

研究の意義:

本研究により、治療効果や予後を予測するバイオマーカーが同定されれば、個別化医療(患者さんごとに適切な治療方法を選択して行う治療)の可能性が広がります。

有用なバイオマーカーを同定するには、ひとつの医療機関の限られたデータのみでは情報が不十分であり、多くの医療機関が協力して、研究計画書で規定された均一な方法で治療されたJCOG試験の登録患者さんの多くのデータを利用した解析だからこそ、大きな意味を持ち、将来の患者さんの治療に役立つ研究になり得ると考えています。

本研究により、ご協力いただいた患者さんご本人への直接的な利益は発生しませんが、将来の患者さんに、より効果の高い治療が提供できるかもしれません。また、不必要な治療を減らすことで医療費を削減するなど、社会的な利益にも繋がる可能性があります。

 

目的:

本研究は、「1.研究の対象」に示すJCOG脳腫瘍グループが実施した/実施中のJCOG試験に参加いただいた神経膠腫の患者さんの腫瘍や血液のDNAやMRI画像を用いて神経膠腫の特徴を調べることで、神経膠腫の特徴と関連のある異常を見つけ出すこと、および治療の効果や予後を予測できるマーカーを見つけ出すことを目的としています。

 

方法:

当施設をはじめ「1.研究の対象」に示すJCOG試験の参加施設で保管している腫瘍組織や血液からDNAを抽出して解析に用います。血液DNAの一部は、東京大学医科学研究所内のバイオバンク・ジャパン(BBJ)に保管されているものを用います。

本研究では腫瘍組織や血液のDNAを次世代シークエンサーという機器等を用いてどのような遺伝子が機能しているのかを調べたり、MRI画像を用いたradiomics(ラディオミクス)という解析などを行って神経膠腫の特徴を調べます。

それらの解析の結果と、あなたにご参加いただいた、「1.研究の対象」に示すJCOG試験で収集された臨床情報をあわせて、例えば、将来、神経膠腫と診断された時点で、予後や治療の効果が予測できるかの検討などを行います。

 

研究実施期間:本研究の研究計画書承認から2030年3月まで。

 

3.研究に用いる試料・情報の種類

試料:組織、血液

○組織:              検査または手術の際に採取した腫瘍組織そのものを解析に用いるほか、腫瘍組織からRNAを抽出して解析します。

○血液:              血液から分離してBBJで保管されている血漿の一部あるいは、
当施設で保管している血漿または血清の一部を解析に用います。

情報:当施設で保管しているMRI画像、「1.研究の対象」に示すJCOG試験で得られた診療情報、JCOG登録番号

 

4.外部への試料・情報の提供

当施設から試料解析実施施設への試料と臨床情報の提供は、匿名化番号であるJCOG登録番号を用いて特定の関係者以外が個人を識別し得る情報にアクセスできない状態で行います。

また、試料解析情報は、我が国における代表的な公的データベースである、
独立行政法人科学技術振興機構(JST)バイオサイエンスデータベースセンター(NBDC)

(http://humandbs.biosciencedbc.jp/)

や別の公的データベースで公表される可能性がありますが、これらのデータベースは、科学的観点と個人情報保護のための体制などについて厳正な審査を受けて承認された研究者のみが利用でき、データベースに登録された情報は特定の個人の情報であることが直ちに判別できないように管理されています。

 

5.研究組織

JCOG(Japan Clinical Oncology Group:日本臨床腫瘍研究グループ)

脳腫瘍グループ参加医療機関 http://www.jcog.jp/basic/partner/group/mem_hncsg.htm

  • 研究代表者 順天堂大学医学部 脳疾患連携分野研究講座 市村 幸一
  • 研究事務局 京都大学医学部附属病院 脳神経外科 荒川 芳輝
  • 国立がん研究センター中央病院 臨床研究支援部門 JCOGデータセンター

試料解析実施施設

  • 順天堂大学医学部 脳疾患連携分野研究講座 市村 幸一
  • 大阪医療センター・臨床研究センター 金村 米博
  • 京都大学医学部附属病院 クリニカルバイオリソースセンター・病理診断科 竹内 康英
  • 東京女子医科大学病院 脳神経外科 都築 俊介
  • 杏林大学医学部付属病院 脳神経外科 齊藤 邦昭
  • 旭川医科大学 脳神経外科学講座 木下 学
  • 国立がん研究センター中央病院 脳脊髄腫瘍科 高橋 雅道
  • 京都大学医学部附属病院 脳神経外科 荒川 芳輝

統計解析実施施設

  • 国立がん研究センター中央病院 臨床研究支援部門 JCOGデータセンター
  • 京都大学医学部附属病院 クリニカルバイオリソースセンター・病理診断科 竹内 康英
  • 東京女子医科大学病院 脳神経外科 都築 俊介
  • 杏林大学医学部付属病院 脳神経外科 齊藤 邦昭
  • 旭川医科大学 脳神経外科学講座 木下 学
  • 国立がん研究センター中央病院 脳脊髄腫瘍科 高橋 雅道
  • 京都大学医学部附属病院 脳神経外科 荒川 芳輝

 

6.お問い合わせ先

ご希望があれば、他の患者さんの個人情報や研究に関する知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書および関連資料を閲覧することが出来ますのでお申し出ください。

また、試料・情報が当該研究に用いられることについて、患者さんもしくは患者さんの代理人の方が拒否された場合、あるいは同意を撤回される場合には研究対象といたしません。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。

本研究に関するご質問等がある場合や、研究への試料・情報の利用を拒否する場合には、下記の連絡先までお問い合わせください。

ただし、すでにこの研究の結果が論文などで公表されていた場合には提供していただいた情報や、試料に基づくデータを結果から取り除くことができない場合があります。なお、公表される結果には特定の個人を識別することができる情報は含まれません。

 

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:

愛媛大学大学院 医学系研究科 脳神経外科学 講師 井上 明宏

791-0295 愛媛県東温市志津川454

Tel: 089-960-5338

 

施設研究責任者:

愛媛大学大学院 医学系研究科 脳神経外科学 教授 國枝 武治

791-0295 愛媛県東温市志津川454

Tel: 089-960-5338

 

JCOG2216A研究事務局

荒川 芳輝

京都大学医学部附属病院 脳神経外科

〒606-8507 京都府京都市左京区聖護院川原町54

TEL:075-751-3459

 

JCOG2216A研究代表者

市村 幸一

順天堂大学医学部 脳疾患連携分野研究講座

〒113-8421 東京都文京区本郷2丁目1-1 10号館413号室

TEL:03-3813-3111(内線3867)

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