愛媛大学医学部 脳神経外科学

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臨床研究「5-アミノレブリン酸を用いた下垂体腫瘍の摘出術中における腫瘍組織の可視化に関する後ろ向きコホート研究」 について

更新日:2023/09/19

お知らせ

 

愛媛大学医学部附属病院では、医学・医療の発展のために様々な研究を行っています。その中で今回示します以下の研究では、患者さんのカルテの記録や画像情報に加え、手術で摘出した腫瘍組織を使用します。この研究の内容を詳しく知りたい方や、カルテや保管されている画像情報および摘出腫瘍組織を利用することをご了解いただけない方は、下記【お問い合わせ先】までご連絡下さい。

 

【研究課題名】

5-を用いた下垂体腫瘍の摘出術中における腫瘍組織の可視化に関する後ろ向きコホート研究

 

【研究機関】愛媛大学医学部附属病院

 

【研究機関の長】杉山隆(病院長)

 

【研究責任者】井上明宏(愛媛大学医学部附属病院 脳神経外科 講師)

 

【研究の目的】

 近年、脳神経外科領域において、術中に腫瘍組織を選択的かつ確実に摘出する方法の1つとしてアミノレブリン酸を用いた術中光線力学診断法が注目されています。手術に先立ちアミノレブリン酸を患者さんに内服して頂くと、体内に吸収されたアミノレブリン酸が腫瘍に取り込まれ、腫瘍細胞内で分解されることで赤色蛍光を発する物質が合成されるため、この現象を利用することで正常脳との境界が可視化され手術に有用とされています。現在、悪性神経膠腫患者に対する手術の際にアミノレブリン酸を使用することは一般化されており、ほとんどの病院において安全に施行されていますが、過去の報告によると、悪性神経膠腫だけでなく下垂体腫瘍においてもアミノレブリン酸を利用した光線力学診断の有用性は報告されており利用価値がある診断方法と思われます(。加えて、下垂体腫瘍の中には極めて悪性度の高い群が紛れ込んでいるため、初回手術の際に腫瘍の発生母地を出来る限り切除すると共に、脳組織への浸潤部分も最大限に摘出する必要があります(。我々は、2023年6月より下垂体腫瘍の手術を行う際には、当院において未承認治療薬として申請済みであるアミノレブリン酸を使用した光線力学診断を行っており、その安全性及び有用性を実感しています。このことから、本方法を利用することで腫瘍残存部位や悪性度を術中にリアルタイムに把握することが出来れば、手術による下垂体腫瘍の真の全摘出が可能となり予後改善につながることは明白と思われ、当院で経験した下垂体腫瘍患者さんの摘出腫瘍組織や画像所見および術中所見を解析することで本仮説を検討したいと考えています。すなわち、本研究は下垂体腫瘍患者さんにおける、術中のアミノレブリン酸による光線力学診断法を用いた治療結果を解析することで、下垂体腫瘍の新たな治療戦略を開発することを目的とします。

 

【研究の方法】

(対象となる患者さん)2023年6月から2025年12月31日に愛媛大学医学部附属病院を受診された方のうち下垂体腫瘍と診断された患者さん

(利用するカルテ情報)性別、年齢、発症時期、合併症、既往歴、身体所見、血液検査データ、画像検査データ、治療状況、腫瘍データ(遺伝情報を含む)、術中のアミノレブリン酸を用いた光線力学診断結果等

(利用する手術摘出組織情報)通常の手術で取得した腫瘍組織を用いて病理診断を行い、腫瘍の存在量や悪性度を解析致します。

 

【個人情報の取り扱い】

 収集した試料・情報は名前、住所など患者さんを直接特定できる情報を削除いたします。そのため、個人を特定できるような情報が外に漏れることはありません。また、研究結果は学術雑誌や学会等で発表される予定ですが、発表内容に個人を特定できる情報は一切含まれません。

 

<試料・情報の管理責任者>

  愛媛大学医学部附属病院  脳神経外科  井上明宏

 

さらに詳しい本研究の内容をお知りになりたい場合は、【お問い合わせ先】 までご連絡ください。他の患者さんの個人情報の保護、および、知的財産の保護等に支障がない範囲でお答えいたします。

 

【お問い合わせ先】

愛媛大学大学院 医学系研究科 脳神経外科学 講師 井上明宏

791-0295 愛媛県東温市志津川454

Tel: 089-960-5338

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