最先端医療への取り組み
脳血管内治療
血管内治療とは血管にカテーテルを挿入し、血管内腔から病変に到達して病気を治す治療法です。
脳神経外科領域では、現在も毎年のように新たなデバイスが使用可能となっており、急速な発展を遂げております。従来の手術では治療困難であった病変に対しても治療できるようになっており、直視下で行う開頭手術と比べ患者さんへの負担が少なく、高齢者や全身合併症を持った方にも施行できる点で優れております。また、治療後の安静や入院の期間が短いなどの利点もあり、治療ニーズも日増しに高まっております。
具体的な治療は、動脈瘤や血管奇形など出血性病変に対する塞栓術,脳梗塞急性期の主幹動脈閉塞に対する再開通療法,脳梗塞慢性期に再発予防を目的とした脳または頚動脈に対する血管拡張術、脳腫瘍摘出術前の栄養血管塞栓術など、今や脳神経外科領域において欠かすことのできない治療となっており、愛媛大学では毎年80~100件の治療を行っています。
また、愛媛大学では最先端の治療も数多く行っております。通常の治療(クリッピング術やコイル塞栓術)は困難な大型や紡錘状などの脳動脈瘤に対するフローダイバーターステントを用いた治療や脳動静脈奇形、硬膜動静脈瘻に対するONYX(液体塞栓物質)を用いた塞栓術などは一部の施設(術者)にしか認められていない脳血管内治療の中でも最先端の治療です。
大型内頚動脈瘤に対するフローダイバーターステントを用いた治療
- 治療前
- フローダイバーターステント留置
- 治療半年後
横-S状静脈洞瘻に対し、ONYXを用いて静脈洞を温存して治療した経動脈的塞栓術
- 治療前
- 後頭動脈よりONYX動注
- 治療後