愛媛大学医学部 脳神経外科学

治療対象となる疾患

くも膜下出血

更新日:2014/05/01

くも膜下出血という言葉は非常に有名ですので、「くも膜下出血は恐い。」「なったら助からない。」と思っている人も多いかもしれません。確かに、くも膜下出血は怖い病気ですが、元通りに元気になる可能性もあるので、やみくもに恐がることはないと思います。
 くも膜下出血は、脳を包む膜であるくも膜の内側(厳密には脳の表層にある軟膜とくも膜との間)のくも膜下腔(くもまくかくう)に出血をきたした状態をいいます。くも膜下出血をきたす原因にはさまざまありますが、その多くは、脳の動脈にできたこぶ、すなわち動脈瘤が裂けることによって生じます。
 くも膜下出血の症状は、突然起こる激しい頭痛が特徴です。この頭痛は、“頭を突然バットなどで殴られたような、今までに経験したことのないような激しい頭痛、”と表現されるような激しいもので、しばしば吐き気や嘔吐を伴い、意識がなくなる場合もあります。
 くも膜下出血の診断には、早期であれば頭部CTで診断がつきます。しかし、出血してから日がたっている場合には、MRIの検査や腰椎穿刺による髄液検査が必要になります。くも膜下出血の診断がつけば、出血源の検索(動脈瘤の有無を確認)のために、脳血管撮影が必要になります。場合によっては、MRangiographyやCT angiographyをすることもあります。
 破裂脳動脈瘤によるくも膜下出血では、動脈瘤の再破裂(再出血)、脳血管攣縮、水頭症などが問題となります。動脈瘤の再破裂が最も生命に危険を及ぼす問題ですので、再破裂防止が大切です。再破裂防止には、開頭手術による動脈瘤頚部クリッピング術と血管内手術による動脈瘤塞栓術があります。それぞれに長所、短所がありますので、一概にどちらがよいかはいえません。当院では、それぞれの手術の専門家がいますので、どちらでも対処可能となっています。これらの手術が終わっても、脳血管攣縮や水頭症を起こし、後遺症を残す場合もあります。当院では、これらの病態に対しても、最先端の医療を行っています。 

下の図はくも膜下出血のCT写真です。 CTでは出血が白く写ります。一般に出血が多いほど予後は不良といわれています。

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Grade2,3では白い部分が多く、診断は容易ですが、たまにGrade1のような非常に少量の出血のこともあります。

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