治療対象となる疾患
もやもや病(ウイルス動脈輪閉塞症)
もやもや病は日本で発見された病気であり、正式病名も“Moyamoya Disease”として世界的にも認知されている疾患です。本疾患は東アジア(日本、中国、台湾、韓国)で多く発生し、日本での発生率は人口20万人に対して約1人程度といわれています。我々の施設でも年間約4人程度の新しい患者さまが来院されています。本疾患は、内頸動脈終末部の進行性の狭窄および閉塞が本質的な病態と考えられていますが、完全には解明されておらず、根治的な治療法は内科的、外科的治療ともにないため、難病指定になっています。
発症症状も様々ですが、小児では一過性虚血発作、脳梗塞などの脳虚血症状が多く、成人では脳出血が半数程度に認められます。
治療としては内科的治療として脳虚血に対しては坑血小板療法、出血例では高血圧治療などが行われています。外科的治療としては様々な血行再建術が行われていますが、現在のところ残念ながら確立された治療法とはいえません。
しかし、小児に対する血行再建術についてはある程度有効性は証明されています。成人発症に対しての効果については現在日本にて大規模臨床試験が行われています。我々の施設では以前より積極的に血行再建術を施行してきておりこれまでのところ良好な結果となっています。