愛媛大学医学部 脳神経外科学

研究紹介

脳腫瘍③ 光線力学診断(PDD)と光線力学療法(PDT)

当教室では、アミノレブリン酸(5-ALA)を用いた診断法、治療法に対する研究を行っております。

5-ALAは天然のアミノ酸で生体内にも存在しています。5-ALAを投与すると正常細胞ではヘムへと代謝されますが、腫瘍細胞では中間代謝物であるプロトポルフィリンIX(PpIX)が蓄積します。PpIXは青色光を当てると、赤く蛍光する特性を有していますので、腫瘍特異的に蛍光が得られることになります。この特性を利用した診断法は5-ALA蛍光力学診断(PDD:photo-dynamic diagnosis)と呼ばれております。

脳神経外科領域では主に、正常組織と境界が不明瞭な悪性神経膠腫の手術でこの診断法が利用されています。術中に青色光を照射し赤く光る腫瘍を摘出することで摘出率の向上が得られています。

また近年、5-ALAは種々の治療効果を増強させるとの報告が見られるようになり、診断のみならず治療にも利用できるとの考えが広がってきています。当教室では世界に先駆けて5-ALAを併用した超音波治療の有用性を2018年に報告いたしました。(https://thejns.org/view/journals/j-neurosurg/129/6/article-p1416.xml)

更なる発展が期待される分野ですが、術後の再発に関与している腫瘍幹細胞を検出できないという課題があります。腫瘍幹細胞は正常細胞と同様に5-ALAをヘムへと代謝できるとされており、これらの診断法、治療法から逃れられます。

当教室では現在、腫瘍幹細胞にも有効な診断、治療法を開発すべく研究を行っており、成果が得られてきております。更なる解析を進め報告する予定としております。

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