小児医療を通じて未来を守る
愛媛大学小児科 ~小児医療を通じて未来を守る~

アレルギーグループ 

アレルギーグループの紹介

アレルギーグループは2005年に発足しました。小児アレルギー疾患の増加を背景に、若手医師の育成を目的として設立されました。当初は、他グループに所属しながらアレルギー診療に関心を持つ医師によるサブグループとして活動を開始しましたが、その後、専門性の高まりとともに独立したグループへと発展しました。

現在は、日本アレルギー学会専門医の育成に取り組んでいます。愛媛大学医学部附属病院小児科は、日本アレルギー学会認定のアレルギー専門医教育研修施設に登録されています。また、毎月のWeb勉強会の開催(下記参照)に加え、年1回、若手医師を対象とした「愛媛小児アレルギーハンズオンセミナー」を実施しています。専門外の医師にもアレルギー診療への関心を持っていただけるよう、継続的に活動しています。

グループメンバー1 グループメンバー2

臨床

(1) 食物アレルギー

食物アレルギーの診断・検査・治療・生活指導を行っています。検査は、アレルゲン特異的IgE抗体検査、皮膚プリックテスト、食物経口負荷試験を実施しており、当科は愛媛県内でも数少ない負荷試験実施施設の一つです。また、アナフィラキシーのリスクがある患者には、アドレナリン自己注射薬の処方も行っています。

食物アレルギーは増加傾向にあり、重症例も増えています。一方で、不必要な除去食は小児の成長や生活の質に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、適切な診断に基づき、「必要最小限の除去を必要な期間のみ行う」ことが重要です。その実現には、食物経口負荷試験の普及が不可欠です。

2026年4月現在、愛媛大学関連の県内基幹病院9施設で負荷試験が実施可能となっています。安全かつ標準化された検査の実施を目指し、定期的な勉強会や情報共有を行っています。

また、自然寛解が難しい重症例に対しては、専門施設として経口免疫療法を実施しています。本治療は重篤な症状出現のリスクを伴うため、十分な経験を有する医師のもとで慎重に行っています。

さらに、保育・教育・家庭・医療が連携し、食物アレルギー児の安全な生活を支えるための地域活動にも取り組んでいます。2006年より県内各地でシンポジウムを開催し、情報共有体制の整備において中心的な役割を担っています。

*詳しくは☆愛媛県小児科医会公式HP☆の「アレルギー疾患対策委員会」をご参照ください。

グループメンバー3 グループメンバー4

(2) 気管支喘息

小児喘息は、適切な管理がなされない場合、成人喘息へ移行する可能性があります。当科では、正確な診断と良好なコントロールを目指し、血液検査、呼吸機能検査、気道過敏性検査、呼気NO検査などを実施しています。

特に気道過敏性検査は診療上有用である一方、一般外来では実施が難しい検査であり、大学病院の重要な役割の一つと考えています。

また、吸入指導、環境整備、服薬指導など、患者・家族への教育にも力を入れています。

近年は、生物学的製剤の導入により、従来治療ではコントロール困難であった難治例に対しても、新たな治療選択肢が広がっています。

アレルギー拠点病院の活動として、5月の第1火曜日「世界喘息デー」に合わせて、病院を喘息啓発カラーである青と緑にライトアップしています。喘息は子どもたちにとって最も身近な慢性疾患の一つです。正しい診断と治療により、多くのお子さんが元気に笑顔で過ごせることを願っています。

また、「愛媛小児吸入療法研究会」を設立し、薬剤師とも連携し、県内で均質な吸入指導が受けられる体制整備を進めています。

*詳しくは☆愛媛県小児科医会公式HP☆の「アレルギー疾患対策委員会」から「愛媛小児吸入療法研究会」をご参照ください。

愛媛大学病院

(3) アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、重症化すると睡眠障害や成長への影響を及ぼす可能性があるため、早期診断・早期治療が重要です。特に乳幼児期の皮膚炎は、他のアレルギー疾患のリスク因子となることから、積極的な介入を行っています。

当科では、スキンケア、外用療法、環境整備などについて丁寧な指導を行い、重症例に対しては入院治療にも対応しています。また、学童期以降の難治例に対しては、JAK阻害薬や生物学的製剤などの新規治療も導入しています。

(4) その他の疾患

じんましん、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、好酸球性胃腸疾患など、さまざまなアレルギー疾患を総合的に診療しています。舌下免疫療法や生物学的製剤による最新治療の導入にも積極的に取り組んでいます。

研究

臨床に直結する様々な研究を推進しています。地域に根ざした疫学調査から、重症アレルギーの病態解明、治療法の開発まで幅広く取り組んでいます。


  • ・FPIESコホート研究
  • ・食物アレルギー診療研究
  • ・遺伝子解析研究
  • ・生物学的製剤研究

論文報告

  • Serum thymus and activation-regulated chemokine (TARC) levels correlate with atopic dermatitis disease severity in patients < 6 months.
    Koizumi M, Kuzume K, Ishida Y, Midoro-Horiuti T.
    Allergy Asthma Proc. 2022;43(5):461-467 [link].
  • アトピー性皮膚炎の炎症マーカーである血清TARCが、生後6ヶ月未満の患者の重症度評価に有用であることを報告しました。


  • Remission of Acute Food Protein-Induced Enterocolitis Syndrome Confirmed by Oral Food Challenges in Japan.
    Nishimura K, Yamamoto-Hanada K, Sato M, Toyokuni K, Ogita H, Kiguchi T, Miyagi Y, Inuzuka Y, Saito-Abe M, Irahara M, Ishikawa F, Kabashima S, Miyaji Y, Fukuie T, Nomura I, Ohya Y.
    Nutrients. 2022, 14(19), 4158 [link].
  • 日本の小児における急性FPIESの寛解状況を、食物経口負荷試験を用いて調査し、独自のプロトコルによる安全性を報告しました。


  • The Inhibition of Glycolysis in T Cells by a Jak Inhibitor Ameliorates the Pathogenesis of Allergic Contact Dermatitis in Mice.
    Okamoto M, Omori-Miyake M, Kuwahara M, Okabe M, Eguchi M, Yamashita M.
    J Invest Dermatol. 2023;143(10):1973-1982.e5 [link].
  • JAK阻害薬ルキソリチニブは、T細胞の解糖系を抑制することで、マウスのアレルギー性接触皮膚炎の炎症を効果的に改善することを報告しました。


定期勉強会

愛大小児科アレルギー勉強会を、第4水曜日19:00からZoomにて定期開催しています。場合によって日程変更の可能性がありますのでご了承ください。参加希望の方は、大学までお問い合わせください。

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