C型肝炎について

C型肝炎は血液を介して感染する肝疾患です。現在、C型肝炎ウイルスを持っている方が日本には約150~200万人いらっしゃいます。日本では、主にC型肝炎が発見される前の時代に輸血を受けて感染した方が多く、他に血液製剤、出血を伴うような処置(いれずみ、鍼治療、ピアスなど)で感染することがあります。現在はC型肝炎の検査を行っていますので、輸血後の感染はほとんどありません。

慢性肝炎の方は長期間、緩徐に病気が進み、肝硬変・肝細胞癌にいたる場合があります。肝硬変になるまでは症状に乏しいため病院に定期受診されず、進行した肝硬変、肝細胞癌で発見される方もいます。特に、C型肝炎の方は肝硬変に近づくにつれて血小板の数が減ってくることが分かっています。そのため、近くの医療機関、保健所などで測定できますので、一度はC型肝炎の検査を受けることをおすすめしています。

C型肝炎の治療を行う時にはウイルスの種類と量でグループ分けを行って治療法を選択します。1型高ウイルス量に分類される方は、インターフェロン治療が効きにくく、50-60%の方しかウイルスを消すことができませんでした。しかし、2011年の秋から新しいタイプの抗ウイルス剤が使えるようになり、現在では90%近い方がウイルスを消すことが可能です。さらに、新しい治療薬の開発がすすんでいます。今後、C型肝炎の治療法は大きくかわり、今までの治療で治らなかった、もしくは副作用であきらめていた患者さんもC型肝炎ウイルスを消すことができる時代が近づいています。

現在および今後のC型肝炎の治療法を考えるにあたって、研究段階ではありますが、ウイルスの耐性変異や自分自身の遺伝子の形をみることで、治療効果を前もって予測することも可能になってきました。このような先進的な検査も愛媛大学附属病院で受け付けています。

肝臓病教室や今後開催される市民公開講座などで新しい情報を得て、適切な治療を受けてください。お困りの点、迷われている点、疑問点がありましたら、肝疾患診療相談センターにお問い合わせください。