愛媛大学医学部 器官・形態領域  泌尿器科学 Department of Urology Ehime University Graduate School of Medicine.

過活動膀胱

過活動膀胱とは?

突然尿意を感じ(おしっこがしたくなり)、それが急激であり、また我慢できない。あわててトイレに行くが、間に合わず、尿失禁を伴う状態です。
以下の質問票の症状が1つ以上ある人は過活動膀胱の可能性があります。

  • 1.尿をする回数が多い
  • 2.急に尿がしたくなって、我慢が難しいことがある
  • 3.我慢できずに尿を漏らすことがある

(過活動膀胱スクリーニング質問票よりScreening Questionnaire for Overactive Bladder; SQOAB)

過活動膀胱の症状は?

主に、下に述べるような症状が起こるといわれています。

  • 尿意切迫感:急に起こる、抑えられないような強い尿意で、我慢することが難しいもの
  • 昼間頻尿:日中に8回以上トイレに行く
  • 夜間頻尿:夜中に1回以上トイレのために起きる
  • 切迫性尿失禁:尿意切迫感が強く、我慢できずに漏れてしまう状態

過活動膀胱症状質問票
(Overactive Bladder Symptom Score;OABSS)

過活動膀胱を心配されて受診された患者さんに必ず行っている質問です。

質問3が2点以上+合計点数が3点以上であれば、過活動膀胱の可能性が高いといわれています。

1-朝起きたときから寝るまでの間何回排尿しましたか?

0
7回以下
1
8―14回
2
15回以上

2-夜寝てから朝起きるまで何回くらい尿をするために起きましたか?

0
0回
1
1回
2
2回
3
3回以上

3-急に尿がしたくなって我慢が難しいことがありましたか?

0
なし
1
週に1回より少ない
2
週に1回以上
3
1日に1回くらい
4
1日2-4回
5
1日5回以上

4-急に尿がしたくなり、我慢ができずに尿を漏らしたことがありましたか?

0
なし
1
週に1回より少ない
2
週に1回以上
3
1日に1回くらい
4
1日2-4回
5
1日5回以上

過活動膀胱はどのように起こるのか?

膀胱が、過敏な働きをして、尿が十分溜まっていないのに急に我慢できない尿意が起こったりします。この過敏な反応を引き起こす原因として

(1)神経系のトラブル
脳と膀胱の筋肉を結ぶ神経伝達経路が障害された場合
脳梗塞、脳出血、脳腫瘍、パーキンソン病、脊髄損傷、脊柱管狭窄症など
(2)非神経系のトラブル
明らかな原因が特定できない場合も多いです。出産、加齢、骨盤底の脆弱化、特発性など

診断・検査(外来にて)

(1)問診
  • 出産歴、手術歴、婦人科疾患の有無
  • 便秘の有無
  • 尿失禁の状況(何時、どのような時に、どれくらいなど)

などに加え、過活動膀胱症状質問票(Overactive Bladder Symptom Score;OABSS)を必ず行って、症状の重症度を判断しています。

(2)検尿
血尿、膿尿、蛋白尿の有無を確認し、他の病気との鑑別を行っています。がん、感染症、結石がないかどうかをチェックしています。
(3)超音波検査
(4)飲水排尿記録
自宅で、1日の排尿回数、1回尿量、飲水量(1回、1日)などを記録していただき、実際の排尿状態を確認します。

過活動膀胱の治療

腹圧性尿失禁とは違い、この病気は内服による治療が主になります

(1)内服治療
当院で過活動膀胱に対して、主に行っている治療です。膀胱を収縮させる働きを持つ‘アセチルコリン’という物質をブロックすることで、膀胱の過敏な収縮を抑える治療を行います。実際には抗コリン薬という内服薬を主に処方しています。このお薬は、口が渇く、便秘などの副作用を起こすことがあり、慎重に経過を見ながら、お薬を使って治療していきます。
(2)生活指導
1.飲水の指導
外来で記録してきて頂いた、飲水排尿記録より、適切な水分摂取量及び、水分の摂りかたを指導します。
2.膀胱訓練
尿意を感じたときに、5分~10分間トイレを我慢していただき、突然の尿意を抑えていく訓練です。膀胱容量の増加、排尿間隔をあける、尿意 切迫感の改善を目標として行います。
3.骨盤底筋運動
腹圧性尿失禁の治療で行っている運動ですが、骨盤底筋を鍛える事で、過活動膀胱の症状も改善する場合があるといわれています。