研修医の一次・二次救急研修報告「救急外来初診で診断された潰瘍性大腸炎:腹部CT冠状断読影の重要性」-愛媛大学医学部附属病院総合臨床研修センター

研修医の一次・二次救急研修報告「救急外来初診で診断された潰瘍性大腸炎:腹部CT冠状断読影の重要性」

アイプログラム(愛媛大学医学部附属病院を中心とした研修プログラム)では、
救急研修の一環として、大学病院に隣接する愛媛医療センターで研修医が一次・二次救急の診療にも当たっております。
熊木天児センター長が指導医として同行することもあり、センター長から与えられたお題に応えるように、研修医の皆さんに経験談をレポートして頂きました。どの研修医も学びに繋がるしっかりとした研修を受けております。

本日は第4弾!腹部CT検査を通しての経験です。
救急研修に関する投稿も残り1つとなりました。明日もぜひご確認ください。

「救急外来初診で診断された潰瘍性大腸炎:腹部CT冠状断読影の重要性」(2年目研修医 D先生)
 私は、腹痛と血便を主訴に来院された20歳前半の女性を担当しました。2週間前から泥状便と心窩部痛が出現し、近医で整腸剤を処方されましたが、泥状便は治まらず、腹痛はむしろ悪化していました。さらに、4〜5日前から泥状便に赤い血が混ざるようになり心配で救急外来を受診されました。心窩部~上腹部に圧痛があり、妊娠の可能性のないことを確認したのちに腹部単純CTを撮影したところ、潰瘍性大腸炎と診断されたため専門医に紹介しました。その際、救急外来で潰瘍性大腸炎の診断に至る患者さんは珍しいと教えて頂きました。
 今回私はCTの環状断ばかり見ており、所見を見つけることができませんでした。しかし、消化器内科がご専門のセンター長に冠状断でも見るよう勧められ、下行結腸のハウストラの消失や鉛管状の所見から潰瘍性大腸炎の暫定診断ができました。後日、大腸内視鏡および生検の結果、潰瘍性大腸炎の最終診断に至った旨のフィードバックもありました。
 愛媛医療センターの救急研修では指導医にすぐに質問できる状態にあり、毎回自分の課題が見つかるとともに、普段の研修以外の幅広い勉強ができ、有意義な研修に繋がっています。また、輪番制救急ではその後の経過がわからないことが多いと言われておりますが、そのまま入院された方や他院へ紹介となった方についてはフィードバックして頂ける体制をセンター長が構築して下さり、さらなる学びに繋がっております。

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