研修医の一次・二次救急研修報告「紹介する側を経験して:紹介元の苦労を知る」-愛媛大学医学部附属病院総合臨床研修センター

研修医の一次・二次救急研修報告「紹介する側を経験して:紹介元の苦労を知る」

アイプログラム(愛媛大学医学部附属病院を中心とした研修プログラム)では、
救急研修の一環として、大学病院に隣接する愛媛医療センターで研修医が一次・二次救急の診療にも当たっております。
熊木天児センター長が指導医として同行することもあり、センター長から与えられたお題に応えるように、研修医の皆さんに経験談をレポートして頂きました。どの研修医も学びに繋がるしっかりとした研修を受けております。

本日は第3弾!救急搬送を受ける側・搬送する側それぞれの立場を経験しての学びです。
5日連続の投稿も折り返しとなりました。残り2日もぜひご確認ください。

【紹介する側を経験して:紹介元の苦労を知る】 (2年目研修医 C先生) 
 私は、左下腹部痛を訴える若い女性を担当しました。月経歴や性交渉歴、妊娠反応陽性であることから異所性妊娠を疑いました。幸いバイタルサインは安定しており、明らかな腹腔内出血を疑う所見はありませんでした。しかし、医療センターには産婦人科がなく、確定診断に自信の持てる指導医はいませんでした。それゆえに、急変の可能性があるため、診断にこだわるより産婦人科医のいる施設へ転送した方が良いとの方針となりました。
 私自身は1年目の研修病院も、現在の大学病院も救急搬送を受ける側のため、搬送する経験はありませんでした。従って、忙しい救急外来の中で診療情報を揃え、搬送手続きをするのは思っていた以上に大変でした。また、十分な検査を行えておらず、現時点で落ち着いている患者を高次機能施設へ送ることへの気後れもありました。
 結果的に軽症で、どうしてこんな患者さんを送ってきたのだろう、と思うこともこれまでにしばしばありました。しかし、搬送する側の苦労を知り、今後はどんな患者さんでも真摯に受け入れようと思いました。今回、センター長が敢えて私に任せて下さったのは、この点を学んで欲しいからということに気付きました。

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