医局のモットー

「人が最大の資産」。
アットホームで風通しが良いのが自慢

 耳鼻咽喉科・頭頸部外科は多彩な疾患を扱う領域です。
 人が生きていくためには呼吸、食事、睡眠が必要ですが、我々の領域では呼吸困難の原因となる上気道疾患、経口摂取を妨げる嚥下障害、睡眠障害の原因となる咽頭疾患を扱います。また、人は美味しい味や匂いを感じ、周囲の音を聞くことで人生を豊かにしています。さらに他者とコミュニケーションを取りながら社会生活を営みます。趣味として美味しいものを食べる(お酒も含め)人、音楽を聴く人、映画や演劇を鑑賞する人、スポーツをする人は多いと思います。それらの感想を語り合う仲間を作り、有意義な時間を過ごすことが好きな人もいます。これらの活動を行うには味覚(口腔・咽頭)、嗅覚(鼻・副鼻腔)、聴覚(耳)、構音(上気道)、音声(喉頭)、バランス感覚(平衡機能)が必要です。さらにコミュニケーションを十分にとるためには表情、特に笑顔を作ること(顔面神経)も非常に重要です。以上のように耳鼻咽喉科・頭頸部外科では人が生きていくための「根本的な機能」と「人生を豊かにする機能」の両方を扱います。

 また、耳鼻咽喉科・頭頸部外科では生命に関わる悪性疾患の治療から機能改善の治療まで幅広く扱います。さらに手術を行う外科系の医療だけでなく、複雑な疾患の診断や治療を行う内科系の医療も行います。扱う年齢層も難聴、上気道疾患などの新生児から癌や嚥下障害、難聴などの高齢者まで全年齢が対象となります。

 現在の医療は技術革新や知識の集積によって様々なことが可能となってきました。しかし一方で医療の細分化・専門化が進んでいます。1つの領域・疾患群だけで多くの知識や医療行為があり、全てを1人で行うことは不可能になってきています。ましてや上記のような多彩な領域をこなすことは難しいと言わざるを得ません。  我々の医局のモットーは「人が最大の資産」です。それぞれが自分の特徴を延ばし、お互いに力を合わせて多彩な領域を担っていくことが重要と考えています。それを持続するためには働きがいのある多様な業務形態も必要となります。常勤として基幹病院で働く人から非常勤で働く人まで、各人がその時々の生活スタイルに合わせた働き方でお互いに協力し合うことを基本としています。

 この目標を達成するために当教室では日本有数の病院とも協力し人材育成を行っています。2021年4月現在、愛媛大学医局から常勤医師を派遣している関連病院は24施設、非常勤医師を派遣している関連病院は12施設です。愛媛県内はもとより香川、岡山、広島、兵庫、大阪、静岡、東京、千葉などの県外にも常勤医を派遣しています。その医局員の総数は81名で地方大学としては比較的大きな医局となっています。関連病院のうち19施設が研修指定病院であり、耳鼻咽喉科・頭頸部外科医としての研鑽をつむには充実した体制を維持しています。また希望者には積極的に海外留学を行ってもらい、国際的に活躍できる人材の育成にも力を入れています。

 耳鼻咽喉科・頭頸部外科に興味のある方、どの科を専攻するか悩んでいる方は是非、定期的に開く医局説明会に参加していただければと思います。当教室で働く若手医師の姿を見ればきっと、耳鼻咽喉・頭頸部外科の中に興味を惹く分野を見つけることができると思います。また個別に話を聞きたい方はメール等でご連絡ください。お待ちしています。

入局後プログラム

専門研修基幹施設である愛媛大学医学部附属病院と、瀬戸内海を中心とした14の専門研修連携施設において、それぞれの特徴を活かした耳鼻咽喉科研修を行い、日耳鼻が定めた到達目標や症例経験基準に掲げられている疾患や手術を経験します。

愛媛ENT塾/
愛媛ENT塾junior

専門医取得前の若手耳鼻咽喉科医を対象として、愛媛ENT塾を月1回行っています。各分野の専門家により、臨床に即した講義が行われています。
教科書等で学ぶよりも実践的な知識を得ることができます。また、愛媛ENT塾juniorとして、若手耳鼻咽喉科医が自らの知識を共有したり、系統立てて整理したりすることを目的として、プレゼンする機会を設けています。

手術教育研究所

当研究所では、手術教育を可能な限り科学的に捉え、論文化して発信しています。 耳鼻咽喉科頭頸部外科医全体の手術技術の向上を通して、質の高い医療を地域格差なく提供できる社会への発展を目指しています。

若手の声

耳鼻咽喉科頭頸部外科を選んだきっかけ、現在の仕事内容、魅力、メッセージなど入局をお考え中の学生・研修医の皆さんへ向けた、先輩からの生の声です。

「羽藤直人教授 ごあいさつ」

「耳鼻咽喉科ってどんな仕事?」

「耳鼻咽喉科をラップで解説!」