若手の声/坂本 佳代(5年目)

①耳鼻咽喉科頭頸部外科を選んだきっかけ

 私は学生の頃から漠然と外科系に興味を持っていました。その中でも耳鼻咽喉科頭頸部外科に惹かれるようになったきっかけは、6年次に耳鼻咽喉科で行われた結紮縫合の実習でした。頭頸部外科が専門の先生が実習担当だったのですが、その糸結びのスピードがそれまで見たことのない速さで美しく、学生ながらにとにかくすごい!と思ったのを今でも覚えています。手術そのものの上手い下手は当時学生だった私にはなかなか分かりませんでしたが、糸結びの正確さ、速さは当時の私には強い印象を与えました。また、外科系というとどうしても男社会というイメージがありましたが、耳鼻咽喉科は穏やかかつアットホームな雰囲気で女性の先生方も楽しそうに働いていたのをみて、耳鼻咽喉科を選びました。

②現在の仕事内容

 午前中は外来の手伝いや病棟での診察などがあります。当科は火・金が手術日ですので、その日は1日手術に入ります。また、週1回程度の外病院での外来業務などもあります。デューティの仕事は基本的には午前中に行い、午後は自分の担当患者さんの診察や勉強や研究の時間として使うことができます。また、学生実習にも携わっており、企業と合同で開発した腫瘍モデルを用いた実習も行っています。

③愛媛大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科の魅力(学生、研修医へのメッセージ含む)

 一番の魅力は診療の幅が非常に広いことだと思います。耳、鼻、口腔・咽頭、喉頭・気管、頭頸部腫瘍、めまい・平衡、聴覚、嗅覚、味覚、音声・言語、摂食・嚥下などどれもがQOLに直結しています。当然、悪性腫瘍であれば機能喪失に繋がることもありますが、治療が患者さんのQOL改善に結びつくことを実感できるのがやりがいとして感じられるかと思います。

 私は手術が好きなので、その点からいうと当科は非常に術者に恵まれている環境であると思います。耳・鼻・頭頸部領域それぞれに専門医がおり、たいていの手術は当科で行うことができます。また、当科では最近女性の割合も増えており、女性でも気兼ねなく働ける環境が整っているのも魅力のひとつです。

 耳鼻咽喉科頭頸部外科に少しでも興味がある方は、是非見学に来ていただければ幸いです。

若手の声/高木 亮太(4年目)

①耳鼻咽喉科頭頸部外科を選んだきっかけ

 私は元々どちらかと言えば内科系の志望でしたが、大学の臨床実習で様々な診療科で実技実習を経験したことや手術見学させて頂いたことで、手を動かすことも楽しそうだなと考えるようになりました。耳鼻咽喉科で実習した際には幼稚園児ぐらいのお子さんの人工内耳症例を受け持ち、その後の人生に大きく関わる、すごく素敵なことをやっているんだなぁと思ったのが印象に残っています。一般的に耳鼻咽喉科は、クリニックで行われるような内科的なイメージが強いかもしれませんが、内科的な診療だけでなく手術症例も豊富にあり、内科・外科のバランスがよいのが魅力に感じました。外来では耳垢をとったり、鼻出血を止めたり、口内炎を直したりと処置を行うことが多々あり、患者さんに喜ばれることが多いのが嬉しいポイントです。また子供と触れ合うのも好きなので、お子さんの患者さんが多くいらっしゃるのも決め手の一つになりました。

②現在の仕事内容

 外来には花粉症に悩む患者さんや、めまい、耳鳴、のどの違和感、味がわからないといった訴えのある患者さんがいらっしゃいます。問診・診察に加え、症例に応じて聴力検査、眼振検査、喉頭内視鏡検査、電気味覚検査、画像検査等を行い診療に当たります。手術症例は鼓室形成術、内視鏡下鼻副鼻腔手術、口蓋扁桃摘出術、甲状腺切除術、喉頭全摘術、嚥下機能改善手術など、多岐に渡ります(病院の規模によって扱う症例は多少異なります)。また、緊急で鼻出血が止まらない患者さんが来た場合には焼灼やガーゼ圧迫により止血術を行い、気道が狭くなり呼吸困難を呈する患者さんには必要に応じ気管切開術による救命措置を行います。脳を除く首から上の領域は耳鼻咽喉科が何でも対応します。専門医取得後は、難聴・鼻副鼻腔疾患・頭頸部癌・音声/嚥下等の中から、専門分野を一つ決めて重点的に診療に当たる先生もいらっしゃいますし、引き続き幅広い疾患に携わる先生もいらっしゃいます。きっと誰でも好きな分野や働き方が見つかると思います。

③愛媛大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科の魅力(学生、研修医へのメッセージ含む)

 愛媛大学病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科の魅力は、何といっても先生方の人柄のよさです。医局はいつも明るく穏やかな雰囲気で、どの先生も教育熱心で人当たりがよく、困ったことがあれば気軽に相談しやすい環境にあります。カンファレンスや手術中に怒号が飛ぶことはありません。また、病棟主治医は主に専攻医の医師が担当します。最初は慣れないことが多いですが、周術期の点滴管理や鎮痛薬の調整、経管栄養の調節等を自ら考えることで、能動的に全身管理を学ぶことができます。わからないことがあっても、上級医の先生のサポートをバッチリ受けられます。さらに若手医師向けのレクチャーがほぼ毎週のようにある他、年に数回ご遺体を使った解剖実習の機会があり、鼻内視鏡の操作や電気メスの扱い方等を学ぶことができます。働いでばかりでなく、夏季・冬季休暇がしっかり取れる体制も整っています。当科には、耳鼻咽喉科医としてはもちろん、一人の人間として大きく成長できる環境が揃っています。これを読んでいる医学生・研修医の皆さん、是非共に愛媛の耳鼻咽喉科診療に貢献しましょう!