入局後の流れ

 愛媛耳鼻科PGでは、専門研修基幹施設である愛媛大学医学部附属病院と、瀬戸内海を中心とした14の専門研修連携施設において、それぞれの特徴を活かした耳鼻咽喉科研修を行い、日耳鼻が定めた到達目標や症例経験基準に掲げられた疾患や手術を経験します。専門研修連携施設はAグループとBグループの2つに分けています。Aグループの病院群(愛媛県立中央病院、松山赤十字病院、市立宇和島病院、倉敷中央病院、高知大学医学部附属病院)は地域の中核病院を担っており、専門医2名以上で年間手術件数が400件以上あり、急性期疾患を多く扱っています。Bグループの病院群(鷹の子病院、高松赤十字病院、愛媛県立今治病院、興生総合病院、愛媛県立新居浜病院、十全総合病院、市立八幡浜総合病院、松山市民病院、今治第一病院、高知大学医学部附属病院)は指導医1名以上で、主に地域医療に携わっています。

 4年間の研修期間の内、原則として1年目は愛媛大学医学部附属病院で耳鼻咽喉科の基本的知識、診療技術を習得します。2年目、3年目は、Aグループの病院群のいずれかにおいて研修を行います。Aグループの病院群は、Common diseaseの症例数が豊富で手術件数が多く、救急疾患も多く扱う病院群ですので、Aグループの研修で手術手技や救急疾患の対応などを習熟します。4年目はBグループの病院群で研修を行うか、愛媛大学医学部附属病院で研修を行うか、どちらかを選びます。Bグループの病院は地域医療を担っている病院で、これまでに習得した知識、技術を生かして地域に密着した医療に貢献します。愛媛大学医学部附属病院での研修を選んだ場合は、専門領域に特化した研修が可能です。愛媛大学医学部附属病院では特に耳科手術の件数は全国でもトップクラスです。さらに、各地の癌専門病院とも連携があり、頭頸部癌診療を専門とする指導医の指導を受けられるなど、高度な研修が可能です。また、社会人大学院へ進学し、診療・研修を行いながら基礎研究や臨床研究を行う事も可能です。

基本的研修プラン

専門研修連携施設

連携施設<Aグループ>
地域の中核病院 専門医2名以上、年間手術件数400件以上

1 愛媛県立中央病院

● 愛媛県松山市
● 年間手術件数…900件
● 3次救急担当、救急疾患が豊富

指導管理責任者/本多伸光
指導医/中村光士郎、本多伸光、富所雄一

2 松山赤十字病院

● 愛媛県松山市
● 年間手術件数…500件
● 多彩でバランスのとれた一般診療

指導管理責任者/有友宏
指導医/有友宏、篠森裕介、上田哲平

3 市立宇和島病院

● 愛媛県宇和島市
● 年間手術件数…500件
● 3次救急担当、救急疾患が豊富

指導管理責任者/吉田正
指導医/吉田正

4 倉敷中央病院

● 岡山県倉敷市
● 年間手術件数…1800件
● 各領域の症例多数

指導管理責任者/佐藤進一
指導医/佐藤進一、吉田 充裕

5 高知大学医学部附属病院

● 高知県高知市
● 年間手術件数…600件
● 音声・嚥下手術多数

指導管理責任者/兵頭政光
指導医/兵頭政光、小林泰輔、小森正博、
    弘瀬かほり、松本宗一

連携施設<Bグループ>
地域医療を担う病院 指導医1名以上、年間手術件数100件以上

5 高知大学医学部附属病院

● 高知県南国市
● 音声・嚥下手術多数

指導管理責任者/兵頭政光
指導医/兵頭政光、小林泰輔、小森正博、
    弘瀬かほり、松本宗一

6 鷹の子病院

● 愛媛県松山市
● 鼻内視鏡手術多数

指導管理責任者/高橋宏尚
指導医/高橋宏尚、兵頭純

7 高松赤十字病院

● 香川県高松市
● バランス良い一般診療

指導管理責任者/森敏裕
指導医/森敏裕

8 愛媛県立今治病院

● 愛媛県今治市
● バランス良い一般診療

指導管理責任者/浅井真紀
指導医/浅井真紀

9 興生総合病院

● 広島県三原市
● 地域救急基幹病院

指導管理責任者/松本秀
指導医/松本秀

10 愛媛県立新居浜病院

● 愛媛県新居浜市
● 地域救急基幹病院

指導管理責任者/横井隆司
指導医/横井隆司

11 十全総合病院

● 愛媛県新居浜市
● バランス良い一般診療

指導管理責任者/宮本佳人
指導医/宮本佳人、澤井尚樹

12 市立八幡浜総合病院

● 愛媛県八幡浜市
● 高齢化進行地域

指導管理責任者/佐々木康
指導医/佐々木康

13 松山市民病院

● 愛媛県松山市
● バランス良い一般診療

指導管理責任者/相原隆一
指導医/相原隆一

14 今治第一病院

● 愛媛県今治市
● バランス良い一般診療

指導管理責任者/川田晃弘
指導医/川田晃弘

15 静岡県立静岡がんセンター

● 静岡県駿東郡
● 頭頸部がん手術多数

指導管理責任者/向川卓志
指導医/向川卓志

16 国立がん研究センター東病院

● 千葉県柏市
● 頭頸部がん手術多数

愛媛大学医学部附属病院と専門研修連携施設の特色

耳科手術が多い
愛媛大学医学部附属病院で年間約200件、愛媛耳鼻科PG全体で年間約900件の耳科手術を行っており、全国でもトップクラスの件数です。手術内容も鼓室形成術、人工内耳手術や内リンパ嚢手術など多岐にわたり、耳科手術の習熟に最適な環境といえます。
指導医が多い
愛媛耳鼻科PG全体で指導医は32名おり、十分な指導が受けられます。耳科だけでなく、鼻科、咽喉頭、頭頚部領域が専門の指導医も多数います。特に頭頚部領域では各地のがんセンターで経験を積んだ医師が多数おり、十分な研修ができる環境にあります。
連携施設が多彩
Aグループの連携施設は手術件数が多く、救急疾患も多く扱いますので、多彩な疾患を経験できます。Bグループの連携施設は地域医療が主ですが、鼻科・耳科手術が多い鷹の子病院や、嚥下・音声手術が豊富な高知大学医学部附属病院での研修も可能です。
基礎・臨床研究
愛媛大学では顔面神経領域や内耳領域で多くの基礎研究を行い、臨床応用を試みています。また近年は、鼻アレルギーや頭頚部癌の研究にも力を入れています。臨床だけではなく、様々な分野で基礎・臨床研究が可能な環境にあります。
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