人工聴覚器プロセッサアップグレードによる聴取能評価に関する研究
- 対象
近畿大学病院、国立医療福祉大学三田病院、宮崎大学医学部附属病院、愛媛大学医学部附属病院、鹿児島市立病院にて2022年3月31までに人工内耳埋込術を施行した患者さんが対象になります。
- 研究機関名
近畿大学病院
国立医療福祉大学三田病院
宮崎大学医学部附属病院
愛媛大学医学部附属病院
鹿児島市立病院
- 研究の意義
人工内耳埋込術は両側高度・重度感音難聴患者に対する確立した治療法の一つです。しかし人工内耳埋込術後の聴取能については種々の因子があり、そのうち、人工内耳の音声処理装置(プロセッサ)の種類による聴取能の変化は特に定まった見解が得られていない部分です。新規の機種のプロセッサでは音声の処理方法が向上し、特に雑音下での聴取などで良好な聴取能が得られるとされていますが、実際にどの程度の雑音の下でどれほど改善が得られるかは、はっきりと評価されていません。 - 研究の目的
本研究の目的は、プロセッサアップグレード前後の聴取成績を解析することで、静寂下や雑音下などの各種環境での聴取能の変化および新規プロセッサの有用性を解明することです。これにより、適切なプロセッサの選択による人工内耳医療、リハビリテーションの最適化を目指します。 - 研究の方法
2022年3月31日までに各研究機関で人工内耳埋込術を施行された方のうち、プロセッサを旧機種(Cochlear社 Freedom, N5, N6, KANSO、MED-EL社 OPUS, SONNET)から最新機種(Cochlear社 N7, MED-EL社SONNET2)に変更された方を対象として、旧機種のプロセッサ、新機種のプロセッサでの人工内耳を用いた音場語音聴取検査、手術・診療に関するデータ(年齢、性別、失聴原因となった疾患や病態、手術記事、人工内耳電極の種類、術後経過)などを匿名化した上で、解析を行います。新たに患者さんに負担をおかけすることはありません。本研究の研究実施期間は、2022年10月31日までです。
- 個人情報の扱い
カルテ調査によって得られた診療情報(年齢や性別等の患者さんの背景、失聴原因となった疾患や病態、手術記事、人工内耳電極の種類、術後経過)は、本研究のみに用います。個人識別情報管理者を置き、選択された患者さんに対して独自の ID をつけ、年齢、性別以外の個人情報はすべて匿名化され、患者さん個人名等のプライバシーに関わる情報が公になることはありません。学会や論文にデータを発表する場合にも、個人データは発表されず、個人情報が特定されることはありません。研究に用いる個人データは研究終了報告日から5年又は研究結果の最終公表日から3年のいずれか遅い日まで厳重に保管します。情報は近畿大学病院耳鼻咽喉科教室内で厳重に保管され、情報の二次利用の予定はありません。また本研究の情報管理責任者は、近畿大学耳鼻咽喉科の土井勝美です。
本研究で近畿大学病院において以下が研究を実施します。
研究責任者(研究代表者):
土井 勝美 近畿大学医学部耳鼻咽喉科
研究分担者
大崎 康宏 近畿大学医学部耳鼻咽喉科
佐原 利人 近畿大学医学部耳鼻咽喉科
長富 大祐 近畿大学病院リハビリテーション部
國頭 梨奈 近畿大学病院リハビリテーション部
本研究は本学が代表を務める多施設共同研究であり、以下の医療機関が共同研究機関として参加しております。
国立医療福祉大学三田病院 研究責任者:高橋優宏
宮崎大学医学部附属病院 研究責任者:東野哲也
愛媛大学医学部附属病院 研究責任者:羽藤直人
鹿児島市立病院 研究責任者:林多聞
7.問い合わせ先
この研究におけるあなたの権利やその他について、さらに詳しくお聞きになりたい場合には、下記の実務担当者にお問い合わせ下さい。また、あなたの人工内耳聴取能や診療情報を研究に用いて欲しくないと思われた場合には、2022年7月31日まで下記の実務担当者に遠慮なくご連絡下さい。それがあなたの治療方針に影響を与えることはありません。
研究責任者 近畿大学病院耳鼻咽喉科 教授 土井勝美
実務担当者 近畿大学病院耳鼻咽喉科 講師 大崎康宏
近畿大学医学部耳鼻咽喉科
〒589-8511 大阪府大阪狭山市大野東377-2
TEL: 072-366-0221 / FAX: 072-368-2252
当院での連絡先
氏名: 寺岡 正人
施設名:愛媛大学医学部耳鼻咽喉科
住所:〒791-0295 愛媛県東温市志津川
TEL:089-960-5366 FAX:089-960-5368