研究について

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研究グループ

「脳とこころの病気」の神経化学グループ

「脳とこころの病気」の神経化学グループ

脳とこころの病気が直接に解析できるようになったのはつい最近です。当初は、中枢神経系に存在するアミノ酸、ジペプチド、たんぱく質などの同定や脳内分布についての解析から研究がはじまりました。すなわち、精神神経疾患の解析のために、まずは生化学的な脳の分子構造へのアプローチであったわけです。精神神経疾患が分子生物学的に解析できるようになると、中枢神経内の機能的物質に注目し、新規神経栄養因子の作用機序の検討、精神神経疾患との関連解析を進め、精神症状を呈する遺伝性神経変性疾患の病態解析から病因遺伝子を発見しました。

現在は、分子生物学的技術を用い、精神神経疾患を、症候学、神経画像、精神薬理学などと組み合わせ、将来、患者に還元できることを目標に、統合失調症、気分障害、認知症などの精神疾患の総合的多角的解析を進めています。われわれの強みは、神経化学的素養を生かしながら精神科の臨床的な視点で研究を進めていく点で、これは分子医学的な基盤を持つ臨床教室でしか行えないものです。現在、学内外の多くの研究室と共同研究を進めており、この点でもさらに発展が期待できます。

神経心理グループ

わたしたちの主な関心は、様々な脳の病気や損傷によって生ずる認知や行動などの変化について学び、脳の構造や機能との関わりを探求し臨床に役立てることです。これらは神経心理学や神経精神医学とよばれる分野です。さまざまな疾患を扱いますが、特に継続して行っているのが認知症性疾患に関する臨床研究です。わが国では急速に社会の高齢化が進んでいますが、愛媛県は全国平均と比較して高齢化率(65歳以上の高齢人口/総人口)が高く、とくに必要とされている分野の一つであると感じています。

神経心理グループ

認知症については、症候学や画像を用いた診断学、薬物療法、介護やケアの方法論まで広く研究しています。近年の主な研究活動としては、アルツハイマー病やレビー小体型認知症の精神症状の神経基盤の検討や、意味性認知症の言語症状の解析、前頭側頭葉変性症のルーティン化療法、意味性認知症の薬物療法があります。また、認知症だけでなく初老期から老年期のうつ病や妄想性障害などのいわゆる老年精神医学全般についても取り組んでいます。 わたしたちは「脳とこころ」の関連について学ぶ者ですが、脳とこころの両方に配慮することのできる臨床家でありたいと常に考えています。 現在、我々のグループでは後方視的研究を行っております。

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児童青年期精神医学グループ

はじめに

近年、児童青年期精神医学は、子どもの精神医学であるとともに、親の精神医学とも言われています。子どもの支援だけでなく、家族支援を視野にいれた診療を行っております。子どもの成長を、ライフスパンで考えながらサポートします。教育・福祉などの関連領域との連携・ネットワーク作りを重視し、子どもと家族が安心して過ごせる社会づくりに貢献できるよう医療を提供することを診療の目的としています。

臨床について

受診の対象
年齢
原則として16歳未満の方を対象としております
紹介など
原則として、医療機関・教育機関・療育期間などからの紹介が必要です
対象疾患
子どものメンタルヘルス
  • 注意欠如・多動性障害(ADHD)、広汎性発達障害(PDD)、知的障害などの発達障害。不安障害やうつ病などの情緒の問題。
  • 不登校、適応障害などのストレス関連障害
  • チック障害、トゥレット障害などの神経症性習癖
  • 子どもの睡眠障害 など
親のメンタルヘルス
  • 養育困難のリスクをもつ母親・家族、発達障害をもつ子どもの家族支援
    ※養育者の方に治療が必要な場合は、一般外来として、診療させて頂きます。
受診の方法
再診の方
担当医制です。診察時、主治医と相談の上、予約をおとりください。
初診の方
児童青年期の専門外来は完全予約制です。お電話にて予約をお取りください。
電話予約 089-960-5545(精神科外来受付)
月~金 午前9時~午後5時(できれば、午後2時から4時頃にお電話下さい。)
原則として、再診受付は、水曜日・木曜日で、初診受付日は木曜日です。お電話を頂いた際に、初診の日時を決めさせて頂きます。
受診される方へのお願い

愛媛大学医学部附属病院は、治療に併せて、医師や専門職を養成するための教育や、これからの医学の発展のための研究も行っております。診察の際に、学生がお話を伺ったり、同席したりすることがございますのでご了承ください。また研究への協力をお願いすることもございますが、ご理解とご協力をお願い致します。

実際に行うこと

子どもの発達の総合的な診断評価 多面的な発達検査・心理検査・生理検査を組み合わせて、子ども・家族・学校などへ、見立てや支援プランなどを提供します。行動上の問題や情緒面の問題に対し、治療が必要な場合は、薬物療法や遊戯療法など行います。

研究について

子どもの精神疾患・発達障害における精神生理学的研究

児童青年期精神医学の分野においても、生物学的基盤が示唆されているものの、まだ不明な点が多いといえます。神経心理学的な手法に合わせて、近赤外スペクトロスコピーを用い、脳血流量の変化をみます。

発達障害児における心理検査・発達検査における研究

発達障害を診断する上で、画一されたテストバッテリーは今のところ存在しません。そこで、診断する上で有用な心理検査・発達検査を開発することを目的とし、臨床心理士を中心として、研究を行っています。

子どもの眠りに関する研究

子どもにとって、睡眠は、学校・家庭での活動への影響に加え、脳や身体の発達への影響が重要な問題です。そこで、愛媛県東温市教育委員会の協力を得て、愛媛大学医学部公衆衛生医学教室および睡眠医学講座と共同で、東温市の子ども・保護者に対し、子どもの眠りに関する調査を行っています。

子どもの発達障害における新型コロナウィルスの理解促進のための研究
新型コロナウィルス(COVID-19)により本邦でも外出自粛や学校の一斉休校など、子どもたちにも大きな影響をもたらしています。特に発達障害を持つ子どもたちへの影響が大きいことを鑑み、児童青年期精神医学グループで発達障害を持つ子どもにもわかりやすく新型コロナウィルスへの理解と対応を深めることができるようにリーフレットを作りました。お役立ていただければ幸いです。
下の画像をクリックして下さい
               <日本語版 Japanese> ↓                                    <英語版 English> ↓   
                                                   

 

 

 

 

 

202083

「新型コロナウィルスによる学校休校が子どもたちに与える影響に関するアンケート調査の結果」

【調査の概要】

新型コロナウィルス感染症の拡大防止を目的に、日本では202032日に小学校から高等学校までの一斉休校が始まりました。愛媛県ではほとんどの市町村でこの一斉休校は510日の連休明けまで続き、その後も通常登校ではなく分散登校の期間もあり、ほとんどの学校で3か月前後の休校期間がありました。また、この間は不要な外出を控え、自粛するように要請もありました。長期間の隔離や孤立は、子どもへの精神的健康に影響を及ぼすことが懸念されます。子どものこころセンターではその影響を測るため、アンケート調査を実施しました。

結果については、以下画像をクリックすることで見ることができます。

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