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放射線科での具体的な業務内容(愛媛大学放射線科を例に紹介します。)

◆読影業務

読影室にはたくさんの読影端末が設置されており、複数の医師がレポート作成を行っています。すぐ近くで、指導医や上級医も含めた複数の医師が読影を行っているため適宜、相談や疑問点の質問が出来る環境が整っています。
読影は放射線科の最も基本的かつ重要な業務です。各種画像検査について、読影端末を使用して、レポート作成を行います。基本的に、1件のレポート作成につき、2人の医師が携わり、一次読影医師が作成したレポートを確定医師(主に放射線科診断専門医)が再度チェックを行い、依頼元の各科医師へと返されるシステムです。研修中は、一次読影医師としてレポートを作成し、確定医師のチェックを受けることで、読影に関する知識や技術を学びます。
◆CT

左側:CT室、中央:造影剤の注入準備をしています。右側:読影中の様子です。
CT室では放射線科医師(基本的に2人)が放射線技師や看護師と共に業務を行っています。CT室での主な業務は、撮影条件(疾患や臓器に適した造影剤の注入速度・撮像のタイミングなど)の確認、造影剤の設置・注入、撮像された画像の確認などです。その他、造影剤投与時の副作用発生など緊急事態への対応、造影剤使用の可否(副作用歴、腎機能障害の有無など)に関する最終判断、主治医とのコンサルトなどです。これらの業務を読影と並行して行います。研修中は、上級医とともに業務を行い、CTの撮影や読影方法に関する幅広い知識や技術を学びます。
 
◆MRI

左側:MRI室内部の写真です。中央:放射線技師がMRI室内の患者の様子を確認しながら、実際に撮影を行っているところです。右側:実際に撮影された、頭部MRIの画像です。
MRI検査は放射線科医師の他、放射線技師、看護師が連携して実施されています。MRI検査に関する医師の業務としては、目的部位や臓器に併せた撮像方法の確認、造影剤の投与、造影剤を投与した際の副作用発生時など緊急事態への対応、主治医とのコンサルトなどがあり、これらを読影業務と並行して行います。研修の際には、MRI室入室時の注意事項の他、MRIの原理・撮影方法・読影技術などMRIに関する幅広い知識を習得が可能です。
◆消化管X線検査

左側、中央:透視室内の様子です。右側:上部消化管造影検査で撮影された、立位充盈像です。
消化管X線検査は、主にバリウムを使用した上・下部消化管の造影検査が主体ですが、小腸の造影検査やガストログラフィンを使用した検査も行っています。研修中は、上級医とともに実際にこれらの検査を施行し、消化管X線検査に関する基本的な手順や読影技術を学びます。
◆核医学検査(PET-CTも含む)

左側:放射線科医師が放射性医薬品投与の準備を行っているところです。中間:使用する直前の放射線医薬品です。放射性医薬品は使用直前まで遮蔽されて保管されています。右側:体内から放出される放射線を測定する際に使用する、カメラの1つ(心臓専用半導体γカメラ)です。
核医学検査とはごく微量の放射性同位元素(ラジオアイソトープ)を目印としてつけた放射性医薬品を使った検査です。放射線医薬品を体内に投与すると、特定の臓器や組織に取り込まれ、放射線を出します。その様子を測定し、分布等を画像化することで、身体の各臓器の働きや化学的変化を調べます。CT・MRI、USなどとは異なり、核医学検査では各臓器の機能を検査出来ます。核医学検査での放射線科医師の主な業務は、読影、放射性医薬品の投与(主に静注)、撮影方法や条件の確認、画像解析などです。研修では、上級医とともに主に放射性医薬品の投与を中心に業務を行い、読影に関する知識や技術の他、放射性医薬品の種類・各医薬品の特徴、取扱い方などを学びます。

左側:PETの撮影装置、中央:FDG PET-CT撮影の際、FDGを体内に投与する直前に放射線科医師が投与装置で、投与量・時間・放射線量などの最終確認を行っているところです、右側:PETセンター内の様子です。
◆IVR

右側:肝癌への化学動注療法を実際に施行している場面です。中央:操作室です。左側:肝細胞癌の患者様に対する化学動注療法の際に撮影された腹腔動脈に留置したカテーテルからの造影です。腫瘍濃染が描出されています(→)。
IVR (Interventional Radiology)は、カテーテル治療や血管内治療とも呼ばれ、画像診断(X線透視装置、超音波、CT、MRIなど)を行いながら、カテーテルテクニックや穿刺術を利用して治療を行う手技のことです。外科的治療と比べて患者さんの負担が少なく,迅速かつ効果的に治療ができる点が最大のメリットです。研修中は、肝癌への化学動注療法を中心に、胃静脈瘤に対するバルーン下逆行性経静脈的塞栓術(BRTO)、経皮的腫瘍生検、VATSマーキング、出血に対する緊急塞栓術(骨盤や肺など)などの手技を上級医とともに実際に行い、習得を目指します。その他、IVRでの治療適応の有無に関する知識も学ぶことができます。
◆放射線治療

左側:医師が放射線治療計画を行っているところです。中央:放射線治療装置、右側:放射線技師が水等価ファントムにて線量を測定しているところです。放射線治療が始まる前に計画された照射方法通りに正しく照射できるか放射線技師が検証を行います。
放射線治療はがん治療の3本柱の1つです。低侵襲な治療が可能で、放射線治療を受けられる患者様は年々増加傾向です。適切で質の高い放射線治療が安全に行えるように医師、看護師、放射線技師が連携したチーム医療を行っています。当院では放射線治療認定看護師(1名)、医学物理士(2名)も専従で勤務しています。研修中は診察、放射線治療適応の検討、実際に診察した患者様の放射線治療計画の作成を指導医と共に行い、実践的に治療計画に関する知識や技術を学びます。また、指導医とともに治療中及び治療後症例の診察を行い放射線治療の有害事象を理解することも可能です。放射線治療の年間症例数は300例以上あり、肺癌や乳癌など高頻度な疾患はもちろん、非常に稀な疾患を含む多岐にわたる症例を経験できます。
 
◆臨床業務以外の活動(院内で行われるカンファレンスについて)

左側:ティーチング、右側:医局会の様子です。
・毎日17時半~ ティーチング(読影室):
その日の読影症例で興味深い症例などに関し、専攻医や実習中の学生なども参加し、放射線科全員で検討を行います。
・毎週水曜日18時~ 医局会(放射線科医局 カンファレンスルーム):
連絡会に引き続き、英語論文の抄読会や症例検討会を行います。
・他科との合同カンファレンス:
循環器、呼吸器、乳腺、泌尿器などをはじめ、様々な分野で、他科との合同カンファレンスを行っています。