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2022論文紹介③ 放射線治療

牧田憲二 先生

国立病院機構 四国がんセンター放射線治療科(愛媛大学大学院)

 

Local control after palliative external beam radiotherapy for bone metastases in patients with favorable prognosis.

Makita K, Hamamoto Y, Kanzaki H, Kataoka M, Yamamoto S, Nagasaki K, Ishikawa H, Takata N, Tsuruoka S, Uwatsu K, Kido T.

Mol Clin Oncol. 2022 17: 152. Doi: 10.3892/mco.2022.2585

 

 

【論文の紹介】

1年以上生存した骨転移症例において、緩和照射による骨転移の局所制御効果を評価しました。骨転移部や原発腫瘍、骨修飾薬の使用が緩和照射部位の局所制御と関連しました。一方、30Gy/10分割を超える中等度高線量を用いたとしても、局所制御の改善は認められませんでした。原発腫瘍の種類によりますが、高い局所制御効果が望まれる場合、中等度高線量を用いるのではなく、定位放射線治療などの特殊照射を用いる方が好ましい可能性があります。

 

【ポイント】

骨転移の個別化放射線治療を目指した研究です。日常臨床では、長期生存を見込む症例には、緩和照射であってもある程度の局所制御を見込んで中等度高線量を用いる場合があります。しかし、今回の結果からは、中等度高線量を用いる意義は乏しい可能性があることが示唆されました。今後のさらなる検討が望まれます。