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2023論文紹介⑥　循環器画像診断（CT）

山本雄太　先生
大学院　4年生

Feasibility of four-dimensional similarity filter for radiation dose reduction in dynamic myocardial computed tomography perfusion imaging

Yuta Yamamoto, Yuki Tanabe, Akira Kurata, Shuhei Yamamoto, Tomoyuki Kido, Teruyoshi Uetani, Shuntaro Ikeda, Shota Nakano, Osamu Yamaguchi, Teruhito Kido

Front Radiol. 2023 Dec 1:3:1214521. doi: 10.3389/fradi.2023.1214521. eCollection 2023.

【論文の紹介】
ダイナミック心筋CTパーフュ―ジョン (CTP) 検査における4D similarity filter (4D-SF)の有用性について検討した研究です。ダイナミック心筋CTP検査は心筋血流量（MBF）などの定量的な評価を行うことが可能であり、心筋虚血の診断や治療方針の決定に有用です。高コントラストな画像を得つつ被曝量を下げるためには低線量/低電圧撮影が必要ですが、画質が低下するという問題点があります。4D-SFは新たなノイズ低減技術であり、フィルタリングは主に時間領域で行われるため、空間分解能の低下を抑えられるという特徴があります。4D-SFをダイナミック心筋CTPに適用することで画質が改善され、MBF値を維持しつつ放射線被曝を従来の半分程度に抑えられる可能性が示唆されました。

【ポイント】
冠動脈疾患に対して適切な治療を選択するためには、心筋虚血の評価が重要です。冠動脈CTと心筋CTPをセットで行う包括的CTプロトコルは、1度の心臓CT検査で冠動脈疾患において重要な冠動脈の形態評価と心筋の灌流評価を同時に行うことができる非常に有用な撮影方法ですが、放射線被曝量の増加が問題となります。4D-SFなどの新技術による被曝低減は、臨床現場における心筋ＣＴＰや包括的心臓ＣＴプロトコルの活用に大きく貢献できると考えます。