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2023論文紹介⑦ 放射線治療

牧田憲二 先生
愛媛県立中央病院放射線科(国立病院機構 四国がんセンター放射線治療科)

 

Impact of palliative radiotherapy with or without lung irradiation in patients with interstitial lung disease.
Makita K, Hamamoto Y, Kanzaki H, Nagasaki K, Sugawara Y, Kozuki T.
Radiother Oncol. 2023 183: 109636. Doi: 10.1016/j.radonc.2023.109636

 

 

 

【論文の紹介】
間質性肺炎を有する症例において、肺野(照射野の一部に肺が含まれる)への緩和照射(低線量/小照射野)の急性肺障害リスクを評価しました。間質性肺炎を有する症例では、肺野への緩和照射により重症急性肺障害が生じやすく、予後も著明に短縮していました。特に、間質性肺炎像が強い症例では、重症急性肺障害リスクが非常に高いこともわかりました。間質性肺炎像が強い症例では、例え緩和照射であっても肺野への照射は行うべきではないと考えられます。

【ポイント】
間質性肺炎を有する症例では、肺野への緩和照射により重症急性肺障害の頻度が増加するだけでなく、予後も短縮してしまう可能性が示唆されました。倫理上、前向き研究は困難ですが、間質性肺炎を有する症例における肺野への緩和照射について、重要な知見を示しました。