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2024論文紹介④ 循環器画像診断(CT)
細川貴晶 先生
愛媛大学医学部附属病院 助教
Feasibility of left atrial strain assessment using cardiac computed
tomography in patients with paroxysmal atrial fibrillation
Takaaki Hosokawa, Hiroshi Kawakami, Yuki Tanabe, Kazuki Yoshida, Yuka Endo, Fumiaki Tamai, Hikaru Nishiyama, Naoki Fukuyama, Katsuji Inoue, Osamu Yamaguchi, Teruhito Kido
Int J Cardiovasc Imaging. 2024 Aug;40(8):1725-1734
【論文紹介】
左房ストレイン(LAS)は心房細動(AF)患者における左房機能評価や予後予測に有用な指標とされています.従来,心エコー(speckle-tracking echocardiography, STE)によるLAS解析が行われてきましたが,画質やトラッキングの不良により、解析困難な症例が少なくありません。今回の研究では、発作性AF(PAF)患者を対象に、心臓CTを用いたLAS解析(CT-LAS)の実現可能性を評価しました。STE-LASの解析が十分に可能だった症例が54%であったのに対し,CT-LASは全症例で解析可能でした.また,CT-LASはSTE-LASと有意な相関(LASr: r = 0.68, LASc: r = 0.47, LASp: r = 0.67)および優れた再現性(ICC > 0.89)を示しました。これらの結果から、CT-LASはPAF患者における定量的な左房機能評価法の一つとして有用である可能性が示唆されました。
【ひとこと】
心房細動患者のリスク層別化において、左房機能の定量評価は重要ですが、心エコーでは解析困難な症例も多く存在します。本研究は、CT-LASが日常診療で取得された心臓CT画像を活用し、追加の検査なしで左房機能を評価可能であることを示しました。今後、CT-LASが非侵襲的かつ再現性の高い左房機能評価法として臨床応用される可能性があります。