心臓血管外科(成人心臓手術)

当診療科について

当科では成人から高齢者まで、あらゆる年齢の患者に対応する外科治療を主に行う診療科です。心臓病、大動脈、末梢血管の疾患に対する手術 と交感神経に対する外科治療を行っています。また、四国で唯一『人工心臓』を用いた手術を行っております。

当診療科の主な手術

当診療科で施術している手術についてご紹介します。

冠動脈バイパス術

狭心症や心筋梗塞の冠動脈疾患に対してカテーテル治療が安全に行われるようになっていますが、治療に抵抗性、あるいは適応外のために外科的治療が必要になることがあります。冠動脈バイパス術はそういった患者に行われる手術です。当科では人工心肺を使用しない『体にやさしい』心拍動下冠動脈バイパス術(オフポンプバイパス術)を第一選択とし、高齢者や併存症のある患者にも安心して手術が受けていただけるように努めています。

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弁膜症手術(弁形成術、弁置換術、メイズ手術、ロボット手術)

近年、高齢者の弁膜症患者が増えており、今までに適切な手術を受けておられない方が見うけられます。

入退院を繰り返し、生活の質(QOL)が低下し死期を早めることになります。QOLを向上させ予後を改善させることが手術の目的です。自己弁を温存する手術手技【弁形成術】の工夫により、術後のQOLは飛躍的に向上しています。通常心臓手術は胸に20cm以上の皮膚切開が必要ですが、当科では症例によっては 7cmの皮膚切開【低侵襲心臓手術】で行っています。また弁膜症患者に多い心房細動に対してもメイズ手術の追加により80%の患者が治癒しています。

さらに当科では2019年2月から内視鏡手術用支援機器(ダヴィンチ)を用いた胸腔鏡下弁形成術に関する施設基準を満たし、これについても保険診療として開始されました。

ダヴィンチを用いた心臓手術は、MICSと同様に胸骨切開を行わず右胸の小さなキズから内視鏡やロボット器械を挿入して行う低侵襲な手術です。MICSとの違いは、術者がコンソール内の3D内視鏡画像を見ながらロボットを操作するため、より精細な視野のもと正確な手術操作を行える利点があります。


低侵襲心臓手術(愛媛大式)
Minimally Invasive Cardiac Surgery (MICS)

通常の心臓手術(15~25cmの皮膚切開)

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MICS(約7cmの皮膚切開)

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内視鏡手術用支援機器ダヴィンチ


通常の心臓手術

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MICS(皮膚小切開+胸骨部分切開)

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MICS(皮膚小切開+肋間小開胸)

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MICSの特徴

利点

  • 創が小さく美容上好ましい
  • 痛みの軽減
  • 早期退院
  • 出血、感染、輸血の低減
  • 再手術時に有利

欠点

  • 習熟が必要
  • 胸骨全切開移行の可能性

MICSへの期待

  • 高齢者への適応拡大(本来の意味での低侵襲を目指す)
  • 無症状期弁膜症の手術適応拡大
  • 患者満足度の向上、循環器科医師の信頼回復

大動脈疾患に対する人工血管置換術、ステントグラフト内挿術

大動脈瘤は破裂の危険を伴う非常に恐ろしい病気です。

そのため特に症状がなくても手術を行います。待機手術の危険は、破裂後に行う手術の危険率に比べてはるかに低く安全です。急性大動脈解離(解離性大動脈瘤)は、激しい痛みと循環不全を伴い、解離の場所によっては速やかに手術を行わなければ命にかかわる病気です(24時間以内の死亡率約50%)。当科では、救急、紹介患者の緊急手術に対応できる体制をとっています。

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末梢血管、交感神経に対する手術

一般的な外科治療の他、最近の新しい治療を積極的に行っています。

・閉塞性動脈硬化症の血管内治療およびバイパス手術。
・血管内レーザーによる下肢静脈瘤手術。
・美容的配慮をした胸腔鏡、ハイビジョンシステムを用いた多汗症に対する低侵襲手術。