泌尿器の病気MEDICAL INFORMATION
男性更年期障害 / LOH(加齢男性性腺機能低下)症候群
男性更年期障害 / LOH(加齢男性性腺機能低下)症候群とは
LOH症候群とは、加齢に伴う身体の変化により現れる諸症状を指します。それらは男性ホルモンの低下により生じるものですが、ストレスやうつ病など複数の要因が複雑に絡み合って起こります。いわゆる男性にみられる更年期障害ですが、LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)という表現が採用されたのは最近で、その診断や治療はまだまだ充分とは言えません。LOH症候群を心配して受診された患者さんの中にはうつ病が隠れていることも多く、LOH症候群の診断は慎重に行わなければなりません。
男性更年期障害 / LOH(加齢男性性腺機能低下)症候群の原因
加齢による様々な身体の変化やストレスが、この諸症状の原因となります。若い人ほどストレスの影響が強く、年齢が増すにつれて男性ホルモン低下による症状が強く出てきやすいといえます。ただ男性ホルモンの量と諸症状の程度には相関がないため、男性ホルモンの量が少なくても、何の症状もない方も数多くおられます。
男性更年期障害 / LOH(加齢男性性腺機能低下)症候群の症状
1.精神・心理症状:落胆、抑うつ、いらだち、不安、神経過敏、生気消失、疲労感
2.身体症状:関節痛、発汗、ほてり、睡眠障害、記憶力低下、集中力低下、陰毛の減少
3.性機能関連症状:性欲低下、ED(勃起障害)、射精感消失、オーガズムの低下
など、書ききれないほど多様な症状が見られますが、全ての症状が揃うわけではありません。
男性更年期障害 / LOH(加齢男性性腺機能低下)症候群の検査
性腺機能を評価するため、質問紙やホルモン学的検査を行います。質問紙はうつを中心とした精神疾患との鑑別に必須です。ホルモン学的検査では、血中テストステロン値だけでなく、腫瘍・炎症等の器質的疾患や薬剤など外因性の可能性を除外するための検査も行い、男性ホルモン補充療法の適応を総合的に判断します。
男性更年期障害 / LOH(加齢男性性腺機能低下)症候群の治療
症状や内分泌学的検査値に応じて、男性ホルモン補充療法や漢方薬、さらにはバイアグラなどのED治療薬を用いることもあります。また、精神神経科による専門的な治療が必要な場合もあります。