泌尿器の病気MEDICAL INFORMATION
性感染症(STD)
性感染症(STD)とは
性行為によって感染する病気を性感染症(STD)と呼び、主に以下のものがあります。 コンドームを正しく使用することが予防のために重要です。また、オーラルセックスやアナルセックスでも感染することを理解する必要があります。
性感染症(STD)の種類
尿道炎
淋菌性、クラミジア性に大きく分類されます。尿中淋菌・クラミジア遺伝子PCR検査にて診断し、抗生物質の点滴や内服により治療します。
・淋菌性尿道炎
性行為後2~10日と比較的早期に発症し、排尿痛や尿道から膿性の分泌物が出るなど、症状が強く出ることが特徴です。
・クラミジア性尿道炎
性行為後1~2週間で発症し、排尿痛や尿道からの透明の分泌物が出ますが、淋菌に比べ症状が軽く症状が出ない場合があります。そのため、自覚症状のないままパートナーに移してしまう場合があります。また進行すると不妊症や腹膜炎になる可能性もあり適切な治療が必要です。
性器ヘルペス
性器周辺に、水疱・発疹・潰瘍などを生じ、痛みを伴います。初回の感染時は特に症状が強く出て、鼠径リンパ節腫脹を伴うことがあります。一度感染するとウイルスが体内に潜んで、ストレス等で抵抗力が落ちた際に繰り返し再発します。軟膏や抗ウイルス薬で治療を行います。
尖圭コンジローマ
ヒトパピローマウイルスを原因とする性感染症で、性器の周辺にとがった形の無痛性のイボが見られることが特徴です。その形状から、鶏のトサカ状、カリフラワー状と形容されます。視診により診断し、イミキモドクリーム外用が有効です。一部難治例に対して、切除, 冷凍療法・電気焼灼・レーザー蒸散による外科的療法を行う場合があります。
梅毒
梅毒トレポネーマの感染によって起こり、初期は性器に小さいしこり(初期硬結)や無痛性の潰瘍性病変(硬性下疳)、無痛性のリンパ節腫脹を伴うことが特徴です。早期に診断されれば、ペニシリンの長期内服により治癒が見込めますが、進行し細菌が血流にのって全身に広がると、バラ疹・扁平コンジローマ、ゴム腫といった梅毒に特徴的な病変が出現します。さらには、脊髄癆・進行麻痺といった神経疾患や大動脈瘤などをきたし、場合によっては死亡にいたることもあります。ここ数年で梅毒患者が増加していることが社会問題となっています。
エイズ
エイズ(後天性免疫不全症候群)は、HIVウイルスが長い無症候性キャリア期を経て増殖し、リンパ球を破壊し、免疫力低下のため様々な病原体に日和見感染したり、悪性腫瘍・神経疾患などを合併してしまう病気です。最近は治療薬の著しい進歩により、十分にHIVの増殖を抑えることが可能となり、生命予後も改善しています。