泌尿器の病気MEDICAL INFORMATION
尿路感染症
尿路感染症とは
腎臓から尿道までの尿路に病原菌が入り込み、増殖して炎症を起こす感染症のことを総称して尿路感染症と言います。感染部位によって分類され、主に以下のものがあります。
尿路感染症の種類
急性膀胱炎
膀胱に細菌(大腸菌など)が感染し、頻尿、排尿痛、残尿感、下腹部痛、尿の混濁、血尿などの症状を伴います。解剖学的理由から女性に多く(男性の5~6倍)、尿を我慢しすぎたり、性行為が原因で起こることがあるといわれています。抗生物質の内服、水分をよく摂ることで軽快します。難治性の場合、尿路結石や腫瘍等が隠れている場合があります。
急性腎盂腎炎
尿路の細菌感染が腎臓に波及すると、発熱や腰の痛み、背中の叩打痛(背中を叩くと痛い)を伴います。軽度の場合は抗生物質の内服で軽快することもありますが、高熱(38℃以上)が続く場合や尿路結石などを合併する場合などは、敗血症性ショック(細菌が全身に波及)をきたし重篤となる場合があるため、入院・点滴治療が必要です。尿路結石等による尿路の閉塞を伴う場合は、尿管ステント留置を要します。
急性前立腺炎
急性前立腺炎は、尿道から侵入した大腸菌などの細菌が前立腺に波及・感染して起こる疾患です。高熱、尿閉(膀胱にたまった尿が出なくなること)・頻尿等の排尿障害などの症状を起こします。重症化すると敗血症性ショックを起こす場合があります。尿閉の場合は、尿道カテーテルを留置したり、導尿をしたりして対応しながら、抗生剤治療を行います。前立腺に膿が貯留している場合は、穿刺して排膿する場合があります。
急性精巣上体炎
精巣上体は、精巣で作られた精子が輸送される部位で、精巣の後方に位置します。精巣上体炎は、精巣上体に尿路の細菌が逆行性感染し、陰嚢の脹れ、痛み、発熱をきたす病気です。尿道留置カテーテルの長期留置により発症する場合もあります。エコーや触診により診断し、抗生物質投与により治療します。