三重大学

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三重大学医学部では学生の研究力涵養を念頭においた、研究室研修(必修)と新医学専攻(選択)という2種類のプログラムを実施している。

研究室研修では3年生の10月から4年生の8月まで全員が基礎、社会、臨床医学のいずれかの研究室に配属される。配属後にプロポーザルを作成し、指導教官以外の教員によるピアレビューを受ける。4年生の7月にプログレス発表会を実施し、全員が研究成果を口頭発表し、学生と教員による優秀発表者の選考が行われる。プロポーザル、プログレス発表は原則英語で実施するため、外国人教員による教育が毎週1回継続的に行われ、学生がこれらの資料の英語での作成を段階的に実施できる環境を整えている。また、各研究室での研究活動に加えて、医学論文の輪読会を毎週1回、学年全体で実施している。グループ毎に論文の内容を英語で発表し、他のグループから英語で質問を受ける。また、海外で活躍する研究者による遠隔講義も年3回前後実施している。これらの活動を通して科学的思考力の涵養に努めている。

新医学専攻では、1年生から6年生まで最大6年間、自分の希望する研究室で、必修カリキュラムの合間に自由に研究できる。入学時に新医学専攻プログラムに所属する学生や指導教員による新入生の勧誘が行われる。このプログラムに所属する学生は全体で100名前後である。学会発表、論文発表を積極的に行う学生が後輩を指導するという屋根瓦式教育と、教員による指導の併用により、研究に対する学生の主体性涵養に努めている。新医学専攻プログラムを選択する学生の中から、研究医を目指す学生が少しずつ増えている傾向にある。今後、大学院との連携など、より多くの研究医を養成できる環境の醸成に努めていきたい。