地域に生き、地域で働く医師を、地域を舞台に育てる

教授: 川本 龍一

プロフィール

  • 誕生日: 昭和35年1月20日生
  • 本籍地: 愛媛県
  • 学 位: 平成10年6月3日 医学博士(自治医科大学)
    『病気対処行動に関する研究』
  • 趣 味: 運動(水泳、ジョギング)、映画鑑賞

川本教授昭和60年自治医科大学を卒業し、愛媛県立中央病院で2年間の初期研修を受け、その後、1年間の後期研修を挟んで一貫して地域医療に従事してきました。

その間、初期研修や地域中核病院では、症例報告を中心に雑誌に投稿し、その後赴任した三崎町国保二名津診療所では同地域の健康問題の頻度やありふれた病(日常病)の病気対処行動について2年間にわたり調査・研究を行いました。

後期研修を受けた自治医科大学地域医療学講座では研究に関する統計手法を中心とした方法論を学びながら学生や研修医指導、岩手県や高知県などの病院・診療所支援にも参加し、後期研修後は現在の西予市立野村病院に着任しました。

野村町では高齢化が進むなか、糖尿病や脳梗塞が多いことから地域在住の高齢者に関する日常生活動作(ADL)やQOL(生活の質)の調査や入院患者については総頸動脈硬化症と危険因子の解明に関する調査をこれまで継続しています。

平成7年度より自治医科大学地域医療学の臨床講師として現地での地域医療・プライマリ・ケアに関する学生教育を担当し、平成8年4月からは愛媛大学医学部内科学第三の同門となり、平成12年4月からは学外講師・老年医学臨床准教授として愛媛大学医学部学生の現地での学生教育も担当してきました。

新医師臨床研修制度の導入に伴い、愛媛大学病院、自治医科大学附属病院、愛媛県立中央病院の新医師臨床研修委員となり、現地での地域保健・医療研修の指導医として活動しています。
また、各種研究会や医師会関係の世話人も担当しています。

本講座は平成21年1月に、地方の深刻な医師不足対策として文部科学省が改定した医学教育の指針(モデル・コア・カリキュラム)を受け、愛媛県ならびに市町村振興協会からの寄附講座として開講いたしました。現在、丸7年間の活動を終え、8年目に突入しています。

本講座では久万高原町立病院と西予市立野村病院に設けられた2ケ所のサテライトセンターにて実習や研修活動を行っています。毎年5月の連休明けから5年生全員の臨床実習の受け入れを開始します。学生は各病院に3名ずつ割り当てられ、月曜日から金曜日の5日間を泊り込みで実習しています。さらに一巡した後にもう一度希望の講座を2週間学ぶ実習で地域医療を選んだ希望者も受け入れています。毎年9月の1年生の臨床実習では地域枠の実習も担当しています。2年前より済生会松山病院の協力により済生丸による離島診療も実習として行っています。その他、平成26年度からは基礎配属として地域医療を希望する当時1年生5名と5年生3名が実習と研究活動に励んできました。彼らは地域医療の現場で患者に触れるとともに地域医療ならではの調査研究を行い、日本プライマリ・ケア学会や日本老年医学会で発表してきました。5年生は研究結果を論文にまで仕上げ、いずれの論文も優秀論文として推薦されました。

診療支援活動では、地域医療学講座のメンバーがサテライトセンターで外来診療や当直などの診療支援を行っています。また両病院はサテライト化により大学や総合病院などからの研修医が徐々に増えており、初期研修の地域医療実習では愛媛大学病院、愛媛県立中央病院、松山赤十字病院、済生会松山病院、松山市民病院、自治医科大学病院から毎月1から2名が訪れ研修を受けています。一方、後期研修である地域医療専門研修ではこれまで同様に毎年2~3名が各サテライトセンターにて研修を受けています。

地域医療の予防活動では、病気にならないようにする仕組みづくりも重要です。元気な高齢者を増やしていくことにより将来的な医療費の削減および街全体の活性化に繋がることが期待されます。地域住民に対しての働きかけとして、昨年は6回にわたり各公民館などでの講演や健康指導を実施しました。さらに、地域に対する働きかけとして、虚弱高齢者が集まる生きがいデイサービスの場を利用して、最期をどのように過ごしたいかを各人が真剣に考えるよう促す「豊かな死」に関する終末期教育にも取り組んでいます。また西予市民全体に対する働きかけとして、市民が見ているケーブル放送を活用し、講演内容を繰り返し放映しています。

学生教育では、3年生全員を対象とした座学を行っており、26年度は19コマ、27年度は25コマの授業を行っています。前期には地域医療の理論を後期には実践を講義し、地域医療の在り方や現状、課題の理解を促し、地域医療に貢献するための能力を身につけられるように毎年工夫を凝らしています。地域で活躍している各方面の専門医も招いて学生の興味を高めています。地域の医療現場における患者中心のチーム医療、医師の役割および何科にすすんでも大切な基本診療・プライマリ・ケアの重要性を理解できるように計っています。

さらに、地域枠学生に対しては、地域医療支援センターとの協力により、毎週、昼休みを利用して地域医療に関する課題をテーマとしたワークショップを開催しています。昼食を食べながら実施し、彼らの地域指向性の滋養に努めています。一般学生や研修医の中にも地域医療に強い興味を抱いている学生もおり、彼ら主催のワークショップの支援や地域医療研究の指導を行っています。愛媛県の瀬戸内海に浮かぶ島々を巡りながら地域における高齢者医療、在宅医療、終末期医療などの様々な医療問題を題材に、地域住民や関係団体の協力を得て、学生や研修医などの参加者が現場を体験し、ワークショップ形式で学ぶ「しまなみ海道臨床推論道場」もそのひとつです。「えひめ多職種連携ワークショップ」は現場で活躍する多様な職種の臨床家と将来違った職種に就く学生同士を交えて、介護や終末期医療をテーマとして他職種の仕事をロールプレイで学ぶ企画をしてきました。「愛媛プライマリ・ケア研究会」では学生や研修医をはじめ医療関係者参加の保健・医療・福祉に関するテーマの発表と特別講演の開催も毎年実施しており、昨年で15年目の節目を迎えました。

研究活動では、動脈硬化性疾患の危険因子に関する30本を超える論文を発表してきています。また平成26年度の科研費では、学生の地域指向性を測る尺度の開発研究も行っており、既に尺度の開発につながる結果を得ています。今後も地域でのリサーチを推進し地域医療に貢献できればと考えています。

今後の活動では、昨年末から計画推進している大学基幹型総合診療専門医のプログラムの実施、さらに愛媛大学附属病院に新たに新設される総合診療科での活動が重要な役割となります。常に、地域医療機関との連携を計り、地域医療の人材育成・確保と負担軽減を目指し、地域の活性化につながる活動をしていきたいと考えています。

職 歴

  • 昭和60年6月1日  愛媛県立中央病院勤務
  • 昭和62年7月1日  町立野村病院勤務
  • 平成2年7月1日   三崎町国民健康保険二名津診療所勤務
  • 平成4年6月1日   自治医科大学医学部勤務
  • 平成5年6月1日   町立野村病院勤務 現在に至る
  • 平成7年4月1日   自治医科大学医学部地域医療学臨床講師
  • 平成10年2月1日  町立野村病院副院長
  • 平成12年4月1日  愛媛大学医学部老年医学臨床助教授
  • 平成18年7月1日  西予市立野村病院地域医療センター長(兼務)
  • 平成21年1月1日  愛媛大学大学院医学系研究科 地域医療学教授
  • 平成21年1月1日  自治医科大学院医学系研究科 地域医療学臨床教授

社会的活動

  • 平成13年4月1日  愛媛県西予市医師会理事
  • 平成17年4月1日  西予市介護支援専門員連絡協議会会長
  • 平成17年4月1日  へき地医療支援計画策定等会議委員

専門医取得

  • 平成 5年 日本消化器内視鏡学会専門医(第930102号)
  • 平成 7年 日本呼吸器内視鏡学会専門医(第299032号)
  • 平成 7年 日本プライマリ・ケア学会認定医(第94-006号)
  • 平成 7年 日本内科学会認定内科医(第8109号)
  • 平成 7年 日本超音波医学会専門医(第FJSUM・1217号)
  • 平成 8年 日本内科学会認定専門医(第3795号)
  • 平成10年 日本プライマリ・ケア学会指導医(第94-006号)
  • 平成10年 日本老年医学会専門医(第97061号)
  • 平成10年 日本糖尿病学会専門医(第2423号)
  • 平成11年 日本老年医学会指導医(第198021号)
  • 平成11年 日本糖尿病学会指導医(第748号)
  • 平成12年 日本超音波医学会指導医(第SJSUM・700号)
  • 平成18年 米国内科学会上級会員(Fellow)

学会評議員

  • 平成11年 日本プライマリ・ケア学会評議員
  • 平成17年 日本老年医学会評議員

その他

  • 平成12年 介護支援専門員
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