第23回地域病院見学バスツアーを実施しました。【2024年5月17日(金)】
令和6年5月17日(金)、医学部附属病院地域医療支援センター主催で『第23回地域病院見学バスツアー(南予)』を実施しました。
地域医療支援センターでは、将来、地域医療を担う医師を志す医学生に、地域医療の実情に触れることで地域における各病院の取り組みや役割を学ぶ機会を設けています。医学生を引率して地域病院を訪問し、地域で活躍する先生の講和や院内見学・実習を通して早い段階から地域医療を実感できる、学生にとっては非常に有意義なプログラムを提供しています。
今回の病院見学では、「八幡浜・大洲」医療圏の2病院を訪問し、医学科1~4年生計9人が参加しました。
往路の車中では田口助教から、西予市や八幡浜市など地域の魅力や、これから訪問する病院がどのような役割を担っているかについて説明がありました。
最初に訪問した西予市立西予市民病院では、菊池病院長から病院概要について説明があり、人口減少・少子高齢化が進む南予において、市立野村病院を含めた医療体制の再構築の話や、南海トラフを念頭に災害時には1階のスペースを有効活用できるように主出入口付近にリハビリテーションルームを設置してあることなどの《備え》について教えていただきました。院内見学後、看護部長同席のもと「看護師の不足」「病院に来ることのできない高齢患者への訪問診療」など、地域の課題に関して学生とディスカッションを行いました。参加学生は地域医療を守る病院の実情を知り、課題を認識できたようです。
続いて訪問した市立八幡浜総合病院では、大藏院長から八幡浜市と八幡浜総合病院の概要説明を受けました。患者の多くが高齢者であること、勤務している医師も高齢化しているため若い医師が入って来ないと医師が足りなくなることなど現状の説明の他、伊方原発に近い八幡浜総合病院の役割など興味深いお話が聞けました。その後、放射能被曝患者の対処設備やヘリポートを見学し、ヘリであれば松山市まで15分で搬送できることなどの説明を受け、加えて、医師用住宅を建設中であることなど、福利・厚生に関することも伺いました。
短時間ではありましたが、八幡浜・西予地域で地域医療を支える2つの病院を訪問し、それぞれの病院の医療事情や特徴を知り有意義な病院見学ができました。
参加学生からは「実際に病院を見学できて先生の人柄や病院の雰囲気を知ることができた。それぞれの病院の特色を知れて、他の病院も見てみたくなった」「2箇所の病院を回ったことで、同じ南予でも地域性の違いやその土地に合わせた施設作りをされていることなどが感じられた」などの意見があり非常に好評でした。
また、更に「島嶼部の診療所も行ってみたい」「実際に地域枠で活躍されている医師の方とお話しできる機会があればいいなと思う」「実際の診察現場や手術も見てみたい」などの要望もありました。
本センターでは、今後も県内各地の病院見学の実施に努め、地域の医療機関と連携しながら次世代の地域医療を担う医学生の育成を進めてまいりたいと思います。
掲載日:2024年05月24日