虐待に関する研修会が開催されました。-愛媛大学医学部附属病院総合臨床研修センター

虐待に関する研修会が開催されました。

2月19日に、研修医を対象に虐待に関する研修会が開催され、10名が参加しました。小児科元木先生によるレクチャーに参加した全員が聞き入っておりました。

虐待は救急外来で遭遇する機会があり、知っているか、意識できるか否かでその後の対応に大きく違いが出ることを学ぶことができました。虐待研修は今年度から必須研修となり、2年目研修医には必須ではありませんでした。しかし、自発的に参加した研修医より、参加しておいて良かったとの声が聞かれました。元木先生、お忙しい中を研修医のためにご指導いただき、誠にありがとうございました。

≪1年目研修医の声≫
最近テレビでも報道されております虐待について、講師である小児科の先生の経験をもとに、特に対処法について学ぶことができました。講師およびセンター長の「虐待は救急外来に潜んでいる可能性がある」と言う言葉をしっかりと受け止めて診療に当たりたいと思いました。救急科での研修中、夜に子供が来てどうしようと思う日もありました。申し出る可能性が極めて低い虐待を見抜くためにも、今回の研修を活かして注意深く観察したいと思います。

≪センター長よりコメント≫
私は卒後初めの半年間は大学病院で研修し、その後の3年半は中規模の病院で勤務しました。良し悪しは別として、当時は研修医であっても市中病院では即戦力でした。そして、内科、外科はおろか小児科の区別なく一人で当直する病院は珍しくありませんでした。
夜間に受診する小児の大半が発熱、感冒症状、消化器症状または喘息発作でした。コントロールできない喘息、泣かない幼児、オムツの濡れていない乳幼児は、小児科医に連絡した後に100%入院しておりました。従って、ほとんどのケースで正しい判断ができていたと思います。しかし、転落後の頭部打撲を主訴に親に連れられて来院する子どもも混ざっておりました。
夜間の小児診療は、日中以上に親との会話が大半です。私自身には虐待を想起する機会はなく、衣服を脱がせるなんてことをしたことはありません。そして、硬膜下血腫に関する注意点を説明し、資料を渡して帰宅してもらっておりました。虐待児が偶然いなかったのかもしれませんが、「えっ、なぜこんな時間に?」の子どもは虐待だったかもしれません。

近年、虐待に関する胸を痛めるニュースも増え、虐待を認識する機会も増えております。私自身、現在では小児診療の際には意識して、口腔内は観察する様にしております。ただし、虐待に気がついてもその後の手続きなどを知らなければ、子どもはもちろんのこと「親」も救ってあげることができません。

さて、小児科M先生のお話の中で登場した「beams 」および「身体症状から虐待を疑う」を参考に、当日参加できなかった先生もこれらのキーワードで検索し、読みやすいものを読んでみて下さい。

未来ある子どもたちのためにも。

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