研修医による体験談:家屋調査-愛媛大学医学部附属病院総合臨床研修センター

研修医による体験談:家屋調査

~ 家屋調査体験談 ~(2年目研修医:A先生)

リハビリテーション科研修中に、家屋調査に同行しました。

 患者さんは整形外科術後で入院中の方でした。退院前に患者さんが実際に生活するご自宅で、動作や自宅環境を本人や家族と医療職で確認しました。退院後の具体的な生活をイメージして、退院までに環境を調整したり必要な訓練を確認したりするために訪問しました。当院のような急性期病院からの訪問調査となる症例は少なく貴重な経験でした。

 担当の理学療法士、病棟看護師、連携室の社会福祉士、そして福祉用具の業者の方と患者さんのご自宅に伺いました。具体的には自家用車乗降、玄関段差昇降、起居動作、家事動作、入浴動作、トイレ動作、階段昇降などの訓練と、ポジショニング、車椅子、マットレス、シャワーチェアの選定などの環境調整を行いました。

 帰院後に担当者で訪問を振り返るカンファレンスを行い、問題点を多職種の視点で洗い出し確認しました。動作は口答指示から見守りで可能で概ね安定していましたが、開き戸の開閉で転倒リスクが高く調整が必要と分かりました。退院後より訪問リハビリテーションの導入を検討することとなり、病棟でも階段昇降や実際に使用予定のリュックサックや滑り止め付きの靴下を持参いただいき、訓練を継続することとなりました。

 住み慣れた家が住みやすい家とは限りません。治療や病気は生活や人生の一部分です。心身の不調のみならず患者さんの活動や生活を診ることで、単なる運動や訓練ではないリハビリテーションとなりました。そのためには多職種の医療職によるチームでの関わりはもちろんのこと、地域医療、福祉との連携が重要だと実感しました。

~当センターでは研修医の皆さまにとって、勉強になることは全力でバックアップします!お気軽にご相談ください。~

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