野元先生雑感

2016年12月26日

冬至(とうじ)アドラーとフロイト 12月21日

12月21日冬至 アドラーとフロイト

冬至にもかかわらず、気温が20度を超えている。コートを着ていると汗ばんでしまう。暖かいのは嬉しいが、その後の冷え込みで風邪をひかないように用心しよう。

 

アドラーとフロイト

アドラーもフロイトも1900年代、前半にオーストリアで学び、世界で活躍した心理学者である。私は学生時代は精神医学に興味を持ち専攻したいと考えていた時期があった。皆さんもそうかと思うが、青年期は心理学に興味を持つことが多い。当時はフロイトやユングを取り上げることが多く教養部の講義で学んだ。北米とヨーロッパでは若干異なり、ヨーロッパでは持って生まれた資質がその人の性格を規定するとの考えが強く、北米では生後の環境や教育が重要で性格は作られるとされていた。フロイトもアドラーもオーストリアで活動していたが、アドラーは米国からの講演要請が多く後に移住している。フロイトは潜在意識を提案し、私たちは無意識の願望を持っており、これを明らかにするために夢分析を提案している。一方、アドラーは、性格は自分で選んだ行動パターンでその人のライフスタイルであり選び取ったものとしている。結果として後天的な要因を重視することとなり当時の北米の趨勢に受け入られやすかったと考えられる。

私は子供を見ていて性格や物事のとらえ方は規定されているものが多いと感じている。寝帰りの練習、ハイハイして室内を移動する様子、寝つきのよさなど、どの子も成人しても傾向は同じで、賑やかな子はエンターテイナーで、マイペースの子は独自の路線を進んでいる。親の仕事は本人の希望を支援し進む方向を邪魔しないことと考えている。

皆さんは親となり、子供を育てている人もいると思う。親は先が見えるのでいろいろと準備してあげたくなるが、子供は親が思う以上に考えており、本人の課題に入り込まないように控えめに支援することがよいと感じている。