野元先生雑感

2017年01月10日

小寒(しょうかん)謹賀新年 1月5日

1月5日 小寒

今年の正月は天気に恵まれ、日本中で初日の出がみられた。私は元日回診を毎年行っている。正月を病院で過ごす患者さんの回診と、元日出勤の病棟看護師の皆さんへのお礼を兼ねて行っている。参加は希望者のみとしているが、今年は4人の医師が参加してくれ5人で回診した。

 

謹賀新年

皆さんは2017年の正月をどのように迎えているだろうか。医療職は当直や救急があるため、正月でも完全に休みになることはなく、あまり休みの気分にはなっていないだろう。それでも新入院が少なくなり手術も正月前後は少なくなるので、交代で休暇をとっていると思う。せっかくの休みでやりたいことはたくさんあると思うが、ぜひ、ご両親に会いに行ってほしい。毎日が忙しいので両親が元気であれば会うことは多くないかもしれないが、ご両親は皆さんのことをいつも楽しみに考えておられる。用事がなくても時間を作って立ち寄ってほしい。また、ご両親は医療を受ける立場になっておられ、患者さんの立場から多くのことを感じておられる。皆さんに期待され、その思いを話してくださるので聞いてほしい。貴重な意見を聞けると思う。私は正月休みに実家に寄ったところ、母親から父親が高血圧を指摘され治療を勧められていることを聞いたので、治療を勧めた。しかし、「お前たち医師は、元気なヒトに異常を見つけて薬を飲まそうとする。年を取れば若いころと違ってあちこちに異常が出るのは当たり前だろう。血圧も上がるだろう。元気なヒトに薬を飲ませて患者を増やす必要があるのか」といわれ困ってしまった。血圧が高いと脳梗塞や心筋梗塞が多くなり生命予後も健康寿命も短くなるので治療は当たり前と考えて診療しており、患者さんに意見を言われたこともなかった。しかし、同様のことを感じている方は多いと思っている。患者さんが診察室で自分の本心を言われることは多くない。父はそう言いながらも薬を飲み始めたが、薬を処方するときには、いつも思い出しながら薬の説明をしている。薬を飲む時には、「自分は健康ではない」と認識させられることになる。そのことが拒薬につながることは理解できる。

時間がとれたら実家へ帰ってご両親に会い、皆さんへの期待を伺ってほしい。