野元先生雑感

2017年02月02日

大寒(だいかん)インフルエンザと手洗い 1月20日

1月20日 大寒

今日は米国大統領の就任式である。江戸の終わりに来た黒船以来、日本は米国から常に大きなインパクトを受けてきている。高齢化や少子化など、日本が学ぶべき社会体制の手本は欧州と思うが、最先端の技術や皆を引き付けるエンターテイメントは米国が先導している。その原動力は海外から移り住む人々であるが、今後は米国も成熟社会へ変わっていくだろうか。

 

インフルエンザと手洗い

1月の後半になって、インフルエンザによる学級閉鎖が増えている。職場でもインフルエンザは出勤停止とし、普段にも増して手洗いとマスクを励行している。2003年から2004年にかけて海外でSARS(Severe Acute Respiratory Syndrome 重症急性呼吸器症候群が発生した時に、国内へ広がることを防ぐために、成田空港では搭乗者に感染が疑われる便の乗客は、感染していないことが確認されるまで、近くのホテルに数日間足止めする対策がとられた。瀬戸際での大規模な対策であったが、残念ながら国内での感染者の発生を止めることはできなかった。しかし、この年のインフルエンザの患者数は例年の半数以下となった。この理由として手洗い、マスクの効用が挙げられ、以前から言われていた感染症対策の効果が確認された。

同様のことが産褥熱の予防でもみられている。19世紀のウイーン総合病院でハンガリー出身の医師センメルヴェイスは、産褥熱の発症は、助産婦が担当する分娩では医師が担当する分娩よりも少ないことに気づき、カルキ(塩素水)による手洗いを励行したところ産褥熱の発症が減少し、産褥熱の予防につながっている。なお、1889年には産褥熱の原因が連鎖球菌であることがパスツールによって報告されている。

手洗いを励行し、咳の出るときにはマスクをしよう。