野元先生雑感

2016年12月20日

大雪(たいせつ)論文を書こう 12月7日

12月7日 大雪 論文を書こう

12月になった。年賀状の準備をする時期である。これまでは友人や家族、親戚の方へ年賀状を送ってきたと思う。皆さんは、今、社会という海に舟をこぎだし航海を始めたところである。日々、いろいろな方に出会っていると思う。年賀状はこれまでに指導して頂き、お世話になった方へお礼の気持ちから送ることもあるだろう。以前は交流があったが、勤務先や住まいが離れて、お付き合いが途絶えている方へ年賀状で挨拶をすることもあろう。また、自分がこれから進んでいきたいと思う分野で活躍し名刺交換した方へ挨拶をするために送ることもあろう。皆さんが希望する方向へ発展するために、ぜひ、年賀状を使うことをお勧めする。

 

論文を書こう

皆さんは地方会や研究会で症例報告をすることが多くなったと思う。症例のpresentationはいつも回診時やカンファレンスで行っていると思うが、研究会や学会で報告するのはお互いの勉強のためである。一人で経験できる症例には限りがあるので、稀な疾患や治療に難渋した例、新しい治療で改善した例は報告している。報告するには準備が必要で時間が掛かると思うが、一緒に勉強している皆のためになる。また、何よりも自分自身のためになるので、是非、多くの症例を報告してほしい。報告するにはポイントがある。短い時間で話す必要があるので内容を絞る必要がある。文献や教科書を読むと伝えるべき特別の内容はわかってくると思うが、何を盛り込むかはさらに先輩に指導してもらってほしい。
学会が終わると一段落するが、すぐにまとめて雑誌に投稿することを勧めたい。時間がたつと記憶が薄れやすく、次に報告すべき例に出会ってしまうことも少なくない。学会や研究会に報告しただけでも社会に貢献しているが発表を聴いた人にしか伝わらない。また、聞いても忘れてしまうかもしれない。論文にしてあると必要時に参考にできるし、学会に参加していなかった人でも検索できる。また関連する疾患を報告するときに文献として引用することができるので、自分の経験をさらに多くの人に参考にしてもらうことができる。自分自身にとっても貴重な思い出となる。論文は後でゆっくりまとめようと考えやすいが、すぐに行うことが必要である。

症例報告は短くまとめることを勧める。長くなるとまとめるのに時間をかかるし、引用時にも要点を把握しやすい。