野元先生雑感

2017年03月21日

啓蟄(けいちつ)習慣について 3月5日

3月5日 啓蟄(けいちつ)

今年は「椿さん」が終わっても冷える日が多い。そのせいもあってか、インフルエンザが例年の倍の発生数と報告されている。以前、鳥インフルエンザの予防のために成田空港で感染の疑われる飛行機便の乗客を隔離したが、防ぐことはできなかった。しかし、対策として日本中で手洗いとマスクが実施され、インフルエンザ等の感染症が例年の半分以下となった。その後は、手洗い、消毒用のアルコール溶液、マスクが広く販売されている。手洗いと手指の消毒を励行しよう。

 

習慣について

先日、受診した30代の男性から、腹が立ちやすくて困る、業務で人に対応するが自分の気持ちが落ち着かないときには、ちょっとしたことでお客さんに怒ってしまう、いい薬はないだろうか、という相談(受診時の主訴)を受けた。てんかん等で易怒性の高いときには、バルプロ酸等が適応となっているが、しかし、この方には特別な症状や所見は無く、話を聞いてみても普通の方である。私たちも診察時には不特定多数の人に会って診療を行う。幸い、医師として接していることもあり、多くの場合には敬意を持って接してもらえるが、時々は怒りたくなるようなことを経験する。しかし、とにかく業務中は怒らない、腹を立てない、と決めておくことを勧めたい。失礼なことを言われたり、理不尽なことをされると怒りたくなるのは当然である。しかし、医師として接するときに怒っては適切な診療はできなくなる。何があっても、まずは怒らないと決めて接するとよい。次に、失礼なことや理不尽なふるまいをされたら、なぜ、そのようなことをするのか、されるのかを考えてみよう。わからないときにはそのまま、おいていてもよいと思う。怒らないと決めて対応すると、その行動が自分の診療時の習慣となる。習慣となれば持続して自分の人格や性格とすることができる。

何事でもよい習慣はよい人格、人柄を作るので、診療中は「怒らない」を習慣にすることを勧めたい。