野元先生雑感

2017年02月20日

雨水(うすい)インフォームドコンセントと尊厳死 2月18日

2月18日 雨水  インフォームドコンセントと尊厳死

今週は急に暖かくなって春一番の一日となった。今年の冬が終わりに近づいている。海外ではスキージャンプの高梨選手やテニスの錦織選手など、日本人が活躍していて頼もしい。

 

インフォームドコンセントと尊厳死

皆さんはインフォームドコンセントについては、講義や研修を繰り返し受けたと思う。手術や侵襲を伴う検査、臨床研究を行うときには患者さんに説明をして承諾を得ることを、インフォームド(情報の提供、説明)コンセント(同意、承諾)と呼んでいる。これに対する言葉としてパターナリズム(家父長主義)があげられる。診療の方針を決めるときには患者さんが判断しにくいことは少なくない。医師は適切と考える治療を患者さんに勧めるのは当然であるが、検査や治療が必要であっても通院や入院を希望されないこともある。病気の状況と診療の必要性、複数の方針とそれぞれの違いを説明し、本人が適切に判断できる状況を設定することは私たちの任務である。これに対して医師として自分が適切と考える治療を一方的に進めることをパターナリズムと呼んでいる。私たちは適切と考える方針を患者さんに勧めるとともに、押しつけにならないように第2、第3の方針も説明して選択できる状況を設けることが要請されている。

治療を行っても死期の近いこともよく遭遇する。人生の最後の医療である。日本尊厳死協会はこの手続きを進めている。全国組織であり業務と密接にかかわることもあり、私は四国支部の代表を務めている。人生の終末期では法的に自殺ほう助と適切に区別することが必要であり法律家の参加も多い。医療の現場ではインフォームドコンセントは当然のことであるが、人生の最後の医療では医師と患者の双方の研修と準備が必要である(http://shikoku-songenshi-kyokai.com/)。