野元先生雑感

2016年04月04日

清明(せいめい)学習室と国家試験 4月4日

4月4日 清明
清明は春先の清らかで生き生きとした様子を表している。桜の季節である。

 

学習室と国家試験

2001年に愛媛大学の国家試験合格率は、全国の国公立大学で、最下位になってしまった。これまでは中位くらいだったが、突然、低くなってしまった。対策として他大学の対応も参考にして学習室を設置した。医学部では6年生になると講義は終わっており、校内で集まる部屋はなく各々が自宅で勉強していた。このため現在は学校での自習用として数人単位で使える学習室を設けている。学習室では数人のグループで勉強するが、皆で集まると学習内容の相互確認ができる。自分が勉強したことを皆に教える。お互いに教えると耳学問ができるので、勉強の欠損部を少なくできる。諸君の中にはよく勉強しているのに試験に失敗してしまう学生を毎年見かける。医師国会試験では範囲が広いので、漏れがないよう全範囲を網羅する必要がある。勉強している期間は長いので、調子のよい時と、よくない時が当然に起こってくる。このために、勉強の範囲にムラが起こりやすい。これを調整するには勉強室が有用である。勉強したことを互いに話すと、自分だけ知らない時がある。そこは自分にとってムラになっているところである。昨夜勉強したことを勉強室で皆に話すと、皆の勉強にもなるが、何よりも話している本人が覚えることができる。図書館の横にある勉強室は教授会で相談し、皆で資金を出し合って建設し、当時の文部省に寄付手続きしたものである。ぜひ、有用に使ってほしい。

医師国家試験の成績は、その後は、おおむね順調であったが、今年、また、現役の諸君の合格率ははかばかしく無かった。教員として皆さんにも、社会に対しても申し訳なく思う。試験に落ちるのは、もちろん残念であるが、しかし、国試浪人は君の人生にとって決して無駄にはならないので、健康管理と集中力の持続を図って、来年、再度チャレンジしてほしい。

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