野元先生雑感

2016年09月26日

秋分(しゅうぶん)桃栗植えて 9月22日

9月22日 秋分 桃栗植えて

学会のシーズンとなった。1月や12月は正月が近く、春は年度の変わり目で学校も行事が多い。6月から8月は梅雨や夏休みになり、皆が集まりにくい。秋は季節もよく、学会の開催に適した時期であったことから、この季節が選ばれたと考えられる。といっても今は一年中、学会や研究会、講演会があり、以前ほど、季節感はなくなっている。

 

桃栗植えて

コメ作から経済的に生産性の高い作物へ転換させるために、大分県が農家に対して用いたキャッチフレーズに「桃栗植えて、ハワイへ行こう」というものがあった。経済的に生産性が高ければ収入が増えて、当時はめずらしかった海外旅行へ行くことができるということであったと思う。大変好評で全国的に展開される活動となった。

このフレーズは研究にも当てはまる。研究は毎日の診療で起こる疑問点や治療の改善を提案し、これを証明して診療に生かすために行っている。研究を行い、治療や診断の改善や新しい治療方法ができると、毎日の診療が発展するとともに、広く海外で発表し、世界に貢献することができる。発表は英語が中心で緊張もするが、同様の疾患を担当している海外の医師に治療の様子を聞いて、自分の治療の確認することかできる。また海外の町や地域を見聞きし、学会の合間に近くを観光することもできる。毎日の診療は忙しく大変と思うが、時には海外へ出かけて、いつもと違う1週間を過ごすことができると、リフレッシュすることもできる。

臨床研究については「人を対象とした医学系研究に関する倫理指針」ができて、臨床研究を実施する時のルールが丁寧に示されている。また、「臨床研究法」が国会審議中であり、以前に比べるとはるかに安心して行うことができるようになった。研究は楽しい。研究がうまくいかないとがっかりするが、しかし、うまくいかない時には、自分の仮説と異なることが起こっていることもあり、新たな発見の可能性がある。日常診療の中に臨床研究があると、診療も一層充実し楽しくなる。

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