野元先生雑感

2016年02月12日

立春 (りっしゅん)親の役割 2月4日

2月4日 立春
今朝、出かけるときの温度は3度であった。「立春とはいえ、まだ寒く・・・」は手紙の書き始めに使われるが、旧暦の2月は今使っている太陽暦に比べると1か月以上遅いため、少し早目になっている。ただ、洋服の売り場はもう春で冬物は大きなサイズと小さなサイズしか残っていない。その分、冬物セールになっていてサイズが合うとチャンスである。

 

親の役割

最初の子供は2月に生まれた。親孝行したいと考え、父に名前を付けることを頼んでみた。父はしばらく考えていたようだが、翌日には断ってきた。その理由は「子供のことで思うようになるのは名前だけなので、自分で考えるように」というものだった。子供は親の遺伝子を受け継いでいるが、別の個体であり育つ時代も環境も異なる。別の考えを持つのは当然であろう。子供を持ってみると、生後3カ月頃の雰囲気を、その後も引き継いでいる。忙しい子は、成長してからも動きが多く、コツコツと寝がえりを練習していた子は、20歳になっても同じようにコツコツと過ごしている。子育てにはいろいろな理論や考え方はあるが、親のできることは食べさせて、怪我をさせなければ、大方の役割を果たしたと言えるのではないだろうか。その後は、その子の成長を見守り邪魔にならないことが基本と思う。親は経験が多く先が見えるかもしれないが、子供は別の個体であり個性も人生観も育った時代も異なる。

私が研修医の頃、教室の教授は井形昭弘先生であった。時々、「教授の仕事は、若い人の邪魔をしないことだから」と言われていた。「ずいぶんと謙遜されるものだ」と考えて聞いていたが、その通りと感じる。